達磨山・井田・棚場

達磨山は戸田村新田を中心とする西へ開いた馬蹄型地形をつくる火山である.ほとんどが玄武岩質安山岩溶岩流からなり,火砕岩の量はすくない.井田火山は達磨火山の北西斜面上に噴出した.玄武岩溶岩流からなり,緩傾斜の火山体をなす.大瀬崎の南の海食崖には,玄武岩溶岩を流出した割れ目火口の断面がみごとに露出している(白尾,1981).玄武岩質安山岩からなる棚場火山は船原峠ふきんで達磨火山に覆われている.

このように南から北へ,棚場火山・達磨火山・井田火山の順に形成したことがわかる.これは伊豆半島東海岸の宇佐美火山・多賀火山・湯河原火山・箱根火山が南から北へ順に形成したことと同じである.達磨火山の東斜面は12万6000年前に箱根火山から飛来した軽石に覆われているから,それ以前に噴火をやめていたとみられる.


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