日本火山のリスク評価
リスクは被害と発生頻度の積であらわす。過去に起こった顕著な火山災害について、いま起こったときの死者数を被害とし、年代の逆数を発生頻度とみてその災害のリスクを計算した。年代は西暦2000年から逆算した。得られた数値を火山ごとに足し合わせたものがその火山のリスクである。
早川由紀夫
2014年1月27日
北海道
火山 年代 被害(人) リスク 原発 主要被災地域
屈斜路湖 7,900 5,000 1 Ma-f火砕流 弟子屈町
14 40,000 300,000 8 KP1火砕流 北見市、網走市
86,900 300,000 3 KP2/3火砕流 北見市、網走市
117,000 300,000 3 KP4火砕流 北見市、網走市
支笏湖 261 5,000 19 Ta-a火砕流 苫小牧市
112 333 5,000 15 Ta-b火砕流 苫小牧市
41,000 2,500,000 61 Spfl火砕流 札幌市、千歳市、苫小牧市
60,100 1,000,000 17 Ssfl火砕流 千歳市、苫小牧市
クッタラ湖 42,000 20,000 0 Kt1火砕流 登別市
0
洞爺湖 178 5,000 28 文政熱雲 虻田町
34 337 1,000 3 Us-b軽石 虻田町
105,000 300,000 3 洞爺火砕流 伊達市、室蘭市
駒ヶ岳 360 10,000 28 クルミ坂土石なだれ 鹿部町
28
17世紀の山体崩壊の発生頻度360年に1回は過大である。1万年に1回とみると、リスクは1である。
銭亀 53,000 400,000 8 女那川火砕流 函館市
8
本州
火山 年代 被害(人) リスク 原発 主要被災地域
十和田湖 1,085 60,000 55 毛馬内火砕流/泥流 鹿角市、大館市、北秋田市、能代市
272 15,000 2,000,000 133 八戸火砕流 青森県、秋田県、岩手県
30,000 2,000,000 67 大不動火砕流 青森県、秋田県、岩手県
43,000 700,000 16 奥瀬火砕流 青森県、秋田県
岩手山 6,900 200,000 29 平笠土石なだれ 盛岡市
29
沼沢沼 5,600 5,000 1 火砕流 金山町
1
磐梯山 112 10,000 89 1888年崩壊 猪苗代町
89
1888年の山体崩壊の発生頻度112年に1回は過大である。1万年に1回とみると、リスクは1である。
高原山 345,300 200,000 1 大田原火砕流 那須塩原市、大田原市、矢板市
1
男体山 14,800 100,000 7 白崖火砕流 日光市
7
赤城山 35,200 5,000 0 鹿沼軽石 鹿沼市
3 74,400 30,000 0 大胡火砕流 前橋市、伊勢崎市
75,530 5,000 0 長井熱雲 渋川市
132,000 300,000 2 橘山・石山土石なだれ 前橋市、渋川市、伊勢崎市、みどり市
榛名山 1,480 50,000 34 伊香保軽石/火砕流 渋川市
242 1,505 300,000 199 渋川熱雲 渋川市、前橋市、高崎市
9,490 5,000 1 水沢山ドーム 渋川市
20,000 30,000 2 陣場土石なだれ 渋川市、吉岡町、榛東村
42,200 300,000 7 室田火砕流 高崎市、渋川市
草津白根山 365,000 50,000 0 太子火砕流 草津町、長野原町、嬬恋村
0
浅間山 217 5,000 23 鎌原土石なだれ/泥流 嬬恋村、長野原町、渋川市、前橋市
101 892 20,000 22 追分火砕流 軽井沢町、御代田町、嬬恋村、長野原町
15,800 200,000 13 平原火砕流 佐久市、小諸市、嬬恋村、長野原町
22,050 30,000 1 雲場熱雲 軽井沢町
24,300 1,000,000 41 塚原土石なだれ 佐久市、小諸市、渋川市、前橋市、高崎市
松代 249,400 500,000 2 空沢軽石 長野市
2
妙高山 10,000 50,000 5 田口土石なだれ 新井市
5
黒姫山 40,000 5,000 0 六月熱雲 信濃町
0
乗鞍岳 17,960 5,000 0 乗鞍高原土石なだれ 松本市
0
御嶽山 60,000 10,000 0 木曽川土石なだれ 中津川市
0
富士山 293 10,000 34 宝永スコリア 御殿場市
250 1,136 8,000 7 青木ヶ原溶岩 富士吉田市
1,200 0 0 天神山 富士吉田市
2,400 500,000 208 御殿場土石なだれ 御殿場市、裾野市、沼津市、小田原市
箱根山 5,300 5,000 1 上二子溶岩ドーム 箱根町
77 66,000 4,000,000 61 東京火砕流 神奈川県、静岡県
255,000 4,000,000 16 TCu1火砕流 神奈川県、静岡県
東伊豆 2,700 5,000 2 岩ノ山-伊雄山 伊東市
14 3,200 30,000 9 カワゴ平火砕流 伊豆市
4,090 10,000 2 大室山溶岩 伊東市
伊豆諸島
火山 年代 被害(人) リスク 原発 主要被災地域
伊豆大島 1,162 3,000 3 波浮マール 波浮
9 1,450 10,000 7 S2土石なだれ 全島
新島 1,114 7,000 6 向山 全島
6
神津島 1,162 5,000 4 天上山 全島
4
三宅島 3,000 3,000 1 全島
2 5,000 3,000 1 全島
青ヶ島 215 200 1 全島
1
九州
火山 年代 被害(人) リスク 原発 主要被災地域
雲仙岳 10 5,000 500 熱雲 島原市
986 208 100,000 481 眉山土石なだれ/津波 島原市、熊本市、大牟田市
4,000 20,000 5 六ツ木/島原土石なだれ 島原市
1990年噴火の発生頻度10年に1回は過大である。5000年に1回とみると、リスクは10になる。
阿蘇 33,000 1,000 0 草千里
210 87,000 11,000,000 126 阿蘇4火砕流 鹿児島県を除く九州全県、山口県
115,000 5,000,000 43 阿蘇3火砕流 鹿児島県を除く九州全県
150,000 1,000,000 7 阿蘇2火砕流 鹿児島県と佐賀県を除く九州全県
270,900 9,000,000 33 阿蘇1火砕流 鹿児島県を除く九州全県
加久藤(霧島) 4,600 2,000 0 御池 都城市、高原町
6 37,000 5,000 0 夷守岳崩壊 小林市
340,000 2,000,000 6 加久藤火砕流 熊本県、宮崎県、鹿児島県
姶良(桜島) 86 5,000 58 大正噴火 鹿児島市
234 221 5,000 23 安永噴火 鹿児島市
529 5,000 9 文明噴火 鹿児島市
1,235 5,000 4 天平噴火 鹿児島市
12,000 600,000 50 薩摩火砕流 鹿児島市、国分市、垂水市
28,000 2,500,000 89 入戸火砕流 鹿児島県、宮崎県、熊本県
阿多 6,600 50,000 8 池田火砕流 指宿市
17 103,000 1,000,000 10 阿多火砕流 鹿児島県
鬼界 7,300 300,000 41 幸屋火砕流 西之表市、指宿市、枕崎市、鹿屋市
44 95,000 300,000 3 長瀬火砕流 西之表市、指宿市、枕崎市、鹿屋市