デジタル火山立体表示のレビュー

前嶋美紀・早川由紀夫

SiPSE(鹿児島大学教育学部)

 衛星画像を50メートルメッシュ数値地図で立体表示させる。専用のソフトウェアをインストールする必要がある。可視衛星画像を用いているため、地表の表現がわかりやすい。線分の描画や、平面画像上で距離測定、面積測定も行えるなどの高機能も備えている。
 衛星画像の解像度の問題か、画像貼り付け時の問題かは不明だが、画像が多少ぼやけて表示される。細部の観察には不向きかもしれない。
 描画および視点の移動をスムーズに行えるが、小中学生が操作するには難しすぎる。

カシミール(杉本智彦)

 数値地図を使って立体表示した地形をスチルカメラで撮影するソフトウェア。自由な視点からみた静止画を、迅速に作成できる。専用のソフトウェア(無料)をインストールする必要がある。
 地表、空、太陽の位置などの表現条件や、カメラの種類、フィルムの画質(静止画の精細度)などの撮影条件を、自由かつ詳細に設定することが可能な高機能ソフトウェアである。事前に準備した複数の静止画を連続して動画として表現する機能(ムービー作成)も搭載している。小中学生が操作するには難しすぎるが、明瞭な美しい立体表示が得られるので、教師が使う教材製作ツールとしての価値がきわめて高い。
 ただしプレビュー画面における視点移動はすみやかにできるが、高解像度画面を得たいと思うと初めから描画させるので時間がかかる。
 カシミールで撮影した立体画像には、あらかじめ決められた道路情報や河川情報をレイヤーとして付加することができるが、そのなかから特定のものを抜き出そうとしたり、レイヤーとして提供されていない任意の線分や色分けを重ねて表現しようとするときには、次の問題点がある。

  1. 表現したい線分や領域を平面地図上にデジタイズするためには、多数の点をプロットして、それらを結ぶ作業が必要になる。この作業量は膨大なものになる。
  2. 重ねて表示した線分や領域の色の決定はカシミールに委ねられているため、思い通りの色を表現することが難しい。

 1. は、GISソフトウェアを用いてデジタイズされたデータを利用すれば作業時間が節約できるが、このような機能を備えたGISソフトウェアはたいへん高価である。
 2. はカシミールのブラックボックス内の処理で決まっているので、調整できない。納得のいく色になるまで、線分や色付けする作業を何度もやりなおして試行錯誤するしかない。

火山3Dビュワー(前嶋美紀@まえちゃんねっと)

 数値地図(100メートルメッシュ)に色付けして立体表示したものを、自由に視点を変えて見ることができる。ひとつの火山の全体地形を観察することに優れている。小中学生でも簡単に操作できる。
 学校内LANでの利用を想定したオンラインソフトウェアである。サーバーにデータとソフトウェア(Javaファイル)をインストールしておけば、クライアント側ではプラグインをインストールするだけでよい。専用のソフトウェアを必要とせず、Windows に標準搭載されているInternet Explorerで動作する。
 現在のバージョンでは地形を表現するだけにとどまっているが、近い将来、ハザードマップも立体表示できるようにする予定である。

2004.2.04