稲荷山金錯銘鉄剣全文

辛亥年七月記。乎獲居臣。 上祖名意富比◇ 其児多加利足尼 其児名互已加利獲居 其児名多加◆次獲居 其児名多沙鬼獲居 其児名半互比 其児名加恙◆余其児名乎獲居臣。世々為杖刀人首。奉事来至今。獲加多支鹵大王寺、在斯鬼宮時、吾左治天下令作此百練利刀。記吾奉事視(?)湿(?)也。

◇=「土偏に危」◆=「将の偏の部分に皮」(都司さん入力)

口語訳

辛亥の年七月に記す.私はヲワケの臣です.いちばんの祖先はオホヒコ,その子はタカリノスクネ,その子はテヨカリワケ,その子はタサキワケ,その子はハテヒ,その子はカサヒヨ,その子がヲワケの臣です.先祖代々親衛隊長として大王に仕え,いまに至っている.ワカタケル大王がシキの宮にあるとき,私は大王が天下を治めるのを助けてきた.そこで,このよくきたえあげた刀をつくらせ,私が大王に仕えてきた由来を記しておく.