浅間山と草津白根山の巡検記録1998.5.3-5.5

浅間山

長野原町林の段丘の上で,塚原岩なだれの流れ山の新鮮な断面をみつけた.パッチワーク構造がよくみえた.この流れ山は林の集落がある堆積面よりずっと高い山寄りにある.塚原岩なだれはいまある林の堆積面よりずっと高い位置まで吾妻川をあふれて流れ下ったことが初めて理解された.

黒豆河原の吾妻火砕流堆積物は十年一日のごとく変わりなし.初めて来た二・三年生に四年生が説明するというスタイルも確立された.

涸れ沢を少し下ると,このように1783//A'//1108の累重がよく観察できる.A'は1596かなあ?と思って火山毛を捜したがみつからなかった.

プリンスランドの鎌原石の上で恒例のひなたぼっこ.今年は,日差しが熱かった.藤の花も満開を過ぎていた.なお,山口洋子さん発案の Kambariteがここで「正式」採用された.

赤川土取り場はずいぶんと掘り下げられて,嬬恋軽石の下の平原火砕流堆積物が1メートルほど見えていた.この調子だと,この露頭も数年おきに更新されて地質観察に耐えるよい教材を長期間提供すると思われる.

初めての方は浅間山のフィールドガイドをごらんください.


草津白根山

いつもは,三日間とも浅間山をみるのだが,今年はあんまり天気がよいので三日目(5.5)午前中は草津白根山へ行きました.湯釜の縁にいたカモシカ(赤矢印)を双眼鏡でみている学生たち.今年は例年になく雪が少ない

パン皮火山弾.なかなかのかたちだったが,重すぎて佐藤成夫君ですら持って帰ることはできなかった.

衝突クレーターをつくって着地している岩塊.

湯釜から見ると,駐車場が火口のすぐそばにつくられていることがよくわかる.弓池のほとりで噴火したのは1902年のことだ.