洞爺湖温泉の西半分のリスク対応試案

この地域は現時点においては致命的損傷をまだ受けていないが,およそ30%の確率でこれから火砕流による致命的破壊をうける可能性をもつ.3月31日を上回る破壊力をもった噴火がこれから発生する場合,被害を受ける確率がもっとも大きいのはこの地域である.

よほどの理由がない限り,これから少なくとも6カ月はこの地域から離れて生活するのがよいと思われる.火砕流は,それが発生してから逃げても間に合わないし,火砕流がいつ発生するかを予知することは困難であるからだ.

洞爺湖温泉にはすでに莫大な資本が投下されている.この温泉場をこのまま捨てるにはしのびないものがあろう.しかしリスク(危険)とベネフィット(利益)をよく検討して,この温泉場を再興するか,それともあきらめて他地に移転するか,合理的判断をくだすことがつよく求められている.当事者自身がよく勉強して真剣に考えるべきだ.

4.22.1400


これは,火山専門家である早川由紀夫個人の意見です.

リスク心理学者吉川肇子さんの著書を紹介している小山真人さんのページをかならず併読してください.