Q

Date: Fri, 28 Apr 2000 22:44:53 +0900

今日も1日中、ぐずついた天気でした。最近は仕事も詰ってきて、有珠山情報を見る
機会も少なくなりました。例の風圧も今朝からまったく感じません。噴煙は相変わら
ず出ているのに、なぜ風圧があったりなかったりするのでしょうか。こうも極端にか
わると気になります。早川先生、教えていただけませんか。
佐藤豊記 toyo-ki@mtj.biglobe.ne.jp 

A

金比羅山あるいは西山の火口の状態を直接反映しているのだろうと思います.火口が開いていてジェットが連続的に出ることができる状態のとき,その風圧はほとんど発生しないでしょう.火口がつまっていて,洞爺湖の上に夏あがる花火のような爆発をするとき,その風圧が発生するのだろうと思います.

洞爺湖を隔てて北に約10km離れた洞爺村は,その風圧をよく感じることができる位置にあるのではないでしょうか.もしかすると,佐藤さん宅で風圧をもっとも感じやすい特定の火口があるのかもしれません.

たとえば次のようなことに注目してみたら,立派な噴火観察記録になると思います.

  1. 火口から上がる噴煙の色や大きさと風圧がどういう関係にあるか
  2. テレビなどで報道される火口の様子と風圧がどういう関係にあるか
  3. 洞爺村のなかで風圧を感じやすいところとそうでないところがあるかどうか
  4. 風圧が始まると何回も続くようですが,その回数と時間間隔はどうか
  5. 風圧の連続がおさまってから次の風圧の連続発生まで何時間くらいが経過するか

なおこの風圧は,火山学で空振(くうしん)と呼んでいるものだと思います.空気の振動です.音だといってもよい.気象庁が複数の空振計を有珠山のまわりに置いている(置く?)と,どこかで目にしました.

20世紀前半の浅間山では,爆発のときにつよい空振が何度も発生して,そのたびに麓の軽井沢などの住宅の窓ガラスを壊すことがありました.しかし,いまの住宅の窓ガラスは強いから,空振で壊れるようなことはないだろうと思います.

早川由紀夫 4.30.1425