動物愛護団体のメンバーの無断立入事件は、僕が災害対策基本法を読んだ限りでは、 法的に触れていないと思うし、 新聞にも“道警は「処罰は難しい。」とコメントしている”というような記事を書い ているので、 法的側面から見れば、今回の行為は“正当”で、誰かに責められる筋合いは無いと思う。 しかし、彼らの行動によって安易な侵入を考える人が増えるのではないだろうか。 そうなったとしたら、その事への対処を怠った動物愛護団体のメンバーの責任は重い。 彼らが虻田町の危険度を熟知したうえで、その“リスク”と“ペットを救うこと”の 自分の中での重要性を比較して、 それでも命の危険を冒してまで避難区域に入るんだという事を理解していたのかそう でないのか。 もしそんなことを全く考えずに、「多分死にはしないだろう。」位のつもりで入って いたのであれば、 (恐らく避難していて自宅に帰りたい住民の中にも少なからず考えている人が居ると 思われるのですが、) 正当な行為どころか、人の迷惑や感情を考えない馬鹿げた行為だと思います(ペット を救うことの意義に関わらずに)。 あるいはその事を理解していたのならば、避難指示に従っている人達でその事をきち んと理解できていない人達に、 「自分たちがやろうとしている事は、遺書を書くぐらい覚悟のいることなんだ。死を 覚悟してもやらねばならない事なんだ」 と説明してから正々堂々と入れば、そこで初めて彼らのする事が正当な行為になるの ではないかと思う。 単に、「ペットの命を重んじるから」とか、「ペット対策が遅れている」といった理 由で社会的正当性は成立しないと思う。 彼らの、「ペナルティーは甘んじて受ける」と言う発言にも、避難指示という意味を 把握できていなかった迂闊さが伺える。 避難指示を冒すペナルティー=死の可能性であると言うこと、しかもその可能性は突 然やってくることをもっと切実に考えねばならないと思う。 避難生活を送る人が自宅に残された物を求める気持ちを理解する事は現在の自分には 到底できそうにないが、 命の危険を冒してまで取りに戻る物を持っている人がいったい何人いるのだろう、と 思っています。