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■社会

04月24日 01:48 更新

  • 川湯・硫黄山で直径4mの岩が直撃、登山中の2人死亡

     【弟子屈】二十三日午前十一時十分ごろ、釧路管内弟子屈町の硫黄山(五一二m)=同町跡佐登=の山頂から約二百mの登山道で落石があり、登山していた釧路市桜ケ岡六、会社員広田正三さん(64)と網走管内東藻琴村五五、団体職員佐藤治さん(43)が直径約四mの岩の直撃を受けて、頭などを強く打ち死亡した。同市興津二、アルバイト山岸久実子さん(53)も両足を折る重傷を負った。

     弟子屈署によると、三人は釧路市の登山愛好会「山楽会」のメンバー。他の九人と共に同日午前九時四十五分ごろ、レストハウスのある同山北側から入山し、西回りで山頂に向かった。同十一時すぎ、標高四百m付近で通常の道から外れ、ややこう配のきつい岩場の近道を登った際、直径三、四mの岩が二十個ほど、幅二十mにわたって落ちてくるのを見つけた。

     先頭のメンバーが後方にいた五人に「落(らく)、落!」と大声で注意したが間に合わず、広田さんら三人を直撃した。他の二人は岩陰などに逃げて無事だった。

     広田さんと佐藤さんはほぼ即死状態で、道警ヘリコプターで同町の病院に運ばれ、死亡が確認された。

     同会は登山歴二年目前後の二十二人で、二十二日に結成されたばかりの初心者グループ。亡くなった佐藤さんがリーダーになり、この日、初の登山会を企画した。硫黄山登山はメンバーの大半が初めてだった。

     現場は断がい絶壁の景勝地だが、二十二日夜の雨で地盤が緩んでいたという。

  • 有珠山の活動は鈍化傾向、泥流防止の遊砂地整備始まる

     有珠山(七三二m)の火山活動で二十三日、泥流被害を防ぐため、胆振管内虻田町の板谷川流域で遊砂地の整備が始まった。気象庁は隆起などの観測データから「この一週間から十日間、(活動は)鈍化傾向にある」と分析しながらも、再活発化への警戒を呼び掛けている。一方、避難指示区域の虻田町洞爺湖温泉町で、男性一人が実家に戻っている問題で、道警などは同日、拡声器で退避を呼び掛けたが、応答がなかった。

     建設省などの土砂災害専門家チームは二十三日の対策本部会議で、掘削予定の遊砂地(容量一万二千立方m)にたい積した火山灰などは当初考えられていた二倍の六千立方mに上ることを明らかにした。現地対策本部は、胆振管内壮瞥町で大型土のうを作る作業を始めたほか、二十四日には調査用の無人ヘリを遊砂地上流に飛ばす。

     気象庁の小宮学・火山課長は二十三日、西山西側火口群付近の観測点の隆起が十三日から十六日にかけて一日○・六m、十六日以降は一日○・四mになっており、鈍化傾向にあることを指摘した。

     また、火山噴火予知連絡会有珠山部会は二十三日、有珠山の過去の噴火で、マグマが地表に出ずに土地が隆起しただけで終わる「潜在ドーム」が、二キロほどの狭い範囲で移動しながらドームを形成したことが三度あったことを報告。最も隆起の著しい西山西側付近以外でドームが形成される可能性も示唆した。

     温泉町にいる男性の問題で、対策本部は同日早朝から夕方まで、強制的に退去させる法的根拠や、救助隊の安全確保などを巡り協議。道警、自衛隊が父親と同行し、実家手前から拡声器で退避を呼び掛けたが、応答はなかった。

  • 洞爺村のサイロ展望台、噴煙見物客でにぎわい

     【洞爺】洞爺湖越しに有珠山の西山や金比羅山の噴煙を望む胆振管内洞爺村の展望台が二十三日、親子連れや中高年グループなどでにぎわった。この付近の国道230号は二十一日に交通規制が解除されたばかりで、日曜日を利用したマイカー客も目立った。

     洞爺村旭浦のサイロ展望台を経営する業者によると、この日は朝から観光バス五台が休憩に立ち寄った。二十四日以降も一日数台の予約が入っており、二十九日からの連休中も、噴煙見学の観光客が見込まれている。

     登別市から家族で来たという主婦(50)は「テレビで見るのと同じ景色ですが、近くに見えますね。早く噴火が治まってほしい」と話していた。

  • 有珠山周辺、泥流災害防止へハイテク機器続々

     噴火による噴出物が川にたまり泥流、土石流災害が懸念されている有珠山(七三二m)周辺に、無線で遠隔操作できるブルドーザーやショベルカーなどのハイテク重機が続々と集結している。大半が、雲仙普賢岳の噴火災害復旧現場から急きょ転用した機材。しかし、岸が川に迫る地形のため、操縦用車両が入りにくいなど、困難な作業が予想され、活躍のための関門も多い。

     建設省土木研究所によると、無人重機は長崎県の雲仙普賢岳の噴火を機に開発された。同岳では火砕流の危険区域内で土砂の除去や砂防ダムの掘削工事などに威力を発揮。二―五キロ離れた地点に設置された遠隔操作用の車から、重機に同行するキャタピラ式の無人移動カメラ車の画像を見ながら、無線で操作する。

     今回使うのは大型ブルドーザー(六○t)やショベルカー、ダンプカー、移動操作室積載車など計十一台。雲仙普賢岳から技術者とともにフェリーで送られ、二十二日までに伊達市内に五台が到着した。泥流発生の恐れが高まっている胆振管内虻田町内の板谷川中流部で、来週中にも遊砂池の掘削工事を始める。

     問題なのは板谷川の流域の狭く曲がりくねった地形だ。雲仙普賢岳では見通しが四、五百mあったが、「板谷川ではその半分以下」(建設省)。このため、電波の中継局も必要という。無人ダンプの通り道も隆起で段差が激しく、工事は難航が予想される。さらに、洞爺湖温泉街付近の工事は、重機の搬入そのものが困難という。

     一方、同研究所は、開発中の無人監視ヘリコプターも投入、作業中の安全確認や監視に役立てる。農薬散布用のラジコンヘリを改造し、全長は三・六m、重さ約七○キロ。テレビカメラを搭載し、高度三○―一五○mの低空から監視できる。無線操縦のほか、衛星利用測位システム(GPS)を使い、自分で地形を読みとりながらの飛行も可能だ。

     ある技術者は、「条件が合えば無人重機などは大活躍する。現場にどう合わせていくか、実用と開発は同時並行だ」と話している。

  • 危険な場所の調査に威力、無人ヘリが試験飛行

     【伊達】有珠山の噴火活動で、火山灰が降り積もった土石流発生の危険地帯や火口付近を調査・観測するため、無線などが届かない場所でも無人飛行できる小型ヘリの試験飛行が二十三日、伊達市内で行われた。土石流対策が急がれる胆振管内虻田町の板谷川の現場に、二十四日早朝から投入される。

     ヘリは長さ三・六m、重さ約九十五キロ。建設省土木研究所の依頼を受けたヤマハ発動機が農薬散布用のラジコンヘリを改良した。製作費用は数千万円。

     飛行前に行程をプログラムしておくと、山陰など電波が届かない場所でも、衛星利用測位システム(GPS)を使って自分の位置を確認しながら予定のコースを飛行できる。ビデオカメラも備え、地上三○mほどの低空まで降りて地表の映像を無線伝送したり、テープに記録したりする。

  • 動物愛護団体の無断立ち入り、洞爺湖温泉町住民ら思い複雑

     ペット救出のため、避難指示区域になっている噴火口近くの胆振管内虻田町洞爺湖温泉町の住宅街に二十二日、動物愛護団体のメンバー二人が無断で立ち入ったことについて、一時帰宅が認められていない洞爺湖温泉町の住民から「避難指示を守っている住民を無視した行為」と批判が上がる一方、ペットへの思いや帰宅のめどが立たない人たちからは理解を示す意見も出ている。

     二人は「アニマル・ライツセンター」(本部・東京)の会員。二十二日早朝、ゲートを避けて徒歩で規制区域に入り、住宅からペットを保護してほしいとの委任状を託した避難住民宅などを巡回。犬三頭を助け出した。

     この行為に、避難住民の反応は二つに割れた。

     不動産賃貸業佐々木由次郎さん(72)は「入りたい気持ちを、みんな我慢しているのに…。人命を預かる行政への謀反。入り口で厳しく取り締まるべきだ」と憤り、委任状を渡した住民も「背信行為」と非難した。

     ホテル勤務の柳沢武郎さん(67)も「人命に何かあったら、責められるのは警察や行政だろう」と首をかしげる。

     一方、温泉街の自宅に猫を残してきた主婦宇田千恵子さん(56)は「委任状集めは知っていたが、生存は厳しいと思って参加しなかった。もう少し早ければ、お願いしただろう」と話す。

     主婦成田秀子さん(53)は「今回のことで、他にも行動を起こす人が出てくるにちがいない。ペットではなく荷物を、代理の人に運んできてもらうことができるかもしれない」と期待を寄せた。

     虻田町の長崎良夫町長は「動物愛護団体の人は、家に帰りたいのに帰れない町民の気持ちを考えたことがあるのか。警備も厳しくなるだろう」と述べた。

     取り残されたペットの救出を道などに要請している有珠山被災犬猫救助連絡会の平井百合子代表(北海道動物保護協会長)は、今回の行動を「消えゆく命を救いたいという気持ちだろう」と理解を示し、「人間か動物かではなく、動物もかけがえのない存在で、生きる権利があるということを今回の行動を機に知ってほしい」と語った。

  • 十勝は大雨あがり警報解除、全道で国道など依然通行止め

     発達した低気圧の通過に伴い、道内は二十三日午後も道東や道南で一時間に三ミリから五ミリの雨が降り、一部の国道や道道が通行止めとなっている。

     札幌管区気象台によると、二十三日午後九時現在、同日午前六時からの総雨量は根室で十二ミリ、桧山管内奥尻町で九ミリ、同管内熊石町で八ミリなど。雨は二十四日午前にいったんおさまり、留萌管内などの一部で再び雨が降る見込みだ。

     道警交通管制センターによると、二十三日午後九時現在、国道453号が胆振管内大滝村昭園で土砂崩れの恐れがあるため通行止め。道道も道東を中心に五路線五区間が路肩の決壊などで通行止めとなっている。

     十勝地方では土砂崩れなどの被害をもたらした大雨が二十三日未明にあがり、十勝中部、南部地方の警報は二十三日午前五時、洪水注意報も午後四時四十五分で解除された。住民千八百人に一時避難勧告を出した十勝管内幕別町は洪水警報解除を受けて午前五時半で災害対策本部を解散した。

     幕別町では同日昼になっても水が引かない畑が二十五haほどあった。半分が秋まき小麦畑で、雪解け後に追肥した肥料が流されるなどの被害が出ている。

     同管内豊頃町礼作別で発生した土砂崩れで二十二日夜から通行止めとなっていた国道38号幕別町明野―豊頃町旭町の一九・○キロは徹夜の復旧作業で午前七時に開通。国道336号広尾町ツチウシ―日高管内えりも町庶野間二六・三キロ、一時道路が水没した大樹町柏木町―寿町間○・八キロも相前後して開通した。

     帯広測候所によると、二十一日昼の降り始めから二十三日未明までの総雨量が一○○ミリを超えたのは広尾、大樹など六観測地点で、帯広でも九四・五ミリとなった。広尾の二十二日の降水量は一五二ミリで、二十四時間の記録としては四月では観測史上第一位となった。

  • 災害復旧工事終えた川岸、大雨で削られ大沼に土砂流入

     【七飯】災害復旧工事を終えた渡島管内七飯町と森町の境界を流れる宿野辺(しゅくのべ)川の河岸が二十一日から二十二日にかけての大雨で削られ、水質汚濁防止で道の重点対策湖沼に指定されている大沼に土砂が流入したことが分かった。宿野辺川は一月にも、同工事の不手際で、土砂が大沼に流入し、大沼漁協(宮崎司組合長)から抗議されていた。このため、七飯町は二十三日、同漁協に陳謝し、沈砂池建設など、今後の対策を道などと協議することにした。

     災害復旧工事は、宿野辺川が二年前の大雨ではんらんしたため、七飯、森両町が昨年十一月から国道5号・宿野辺橋上流約五キロの川幅を約二・五倍に広げている。工期は来年三月までの予定。

     着工にあたり、両町は同漁協に「土砂が流出すれば、ただちに工事を中止する」などと文書で約束していた。

     今回は大雨に雪解け水が加わって増水し、災害復旧工事で河岸に自然石を積んだ場所などがえぐられ、土砂が大沼に流入した。

     二十三日、同漁協に陳謝した七飯町の吉田雅幸土木課長は「災害復旧工事で上流部の被害は防げたが、今後は土砂流出を抑える工法の見直しなども検討したい」と言っている。

     宮崎組合長は「流入した泥はワカサギやヘラブナのえらに付着して成長を妨げるので、漁業者には死活問題だ。町と改善策を検討していきたい」と話している。

  • 芦別で温泉帰りの乗用車、ガードレールに衝突し1人死亡

     【芦別】二十三日午後四時ごろ、芦別市黄金町七三一の市道で、軽自動車がガードレールに衝突し、助手席の旭川市豊岡一一ノ六、会社員長岡長三郎さん(59)が全身を強く打って間もなく死亡、後部座席の同市豊岡三ノ二、無職三上進さん(48)が左足の骨を折る重傷を負った。

     芦別署は業務上過失致死の疑いで、軽自動車を運転していた同市豊岡一一ノ六、無職石垣厳容疑者(50)を緊急逮捕した。石垣容疑者は飲酒運転で、足に軽いけが。

     調べによると、現場は下り坂の緩やかな右カーブで、同署は石垣容疑者がハンドル操作を誤り左側のガードレールに衝突したとみて調べている。三人は芦別市内のホテルで温泉に入って帰る途中だった。

  • トド威嚇の火薬玉が暴発、船長が手に大けが−増毛

     【増毛】二十三日午前八時三十分ごろ、留萌管内増毛町阿分漁港の北西沖約十キロで操業していた増毛漁協所属のカレイ刺し網漁船「福神丸」(三・六t)の菅沢留次郎船長(63)=増毛町阿分三=が漁網に近寄ってきたトドを威嚇するため、火薬玉を投げようとしたところ暴発し、左手に大けがを負った。菅沢船長は自力で操船して阿分漁港に戻り、留萌市立病院に運ばれた。

     暴発したのは「轟(ごう)音玉」と呼ばれる直径約四cmの火薬が詰まった玉で、爆発すると大音響を発する。同漁協所属の多くの刺し網漁船がトドを威嚇するため常備している。留萌海保によると、菅沢船長は火薬玉の導火線に火を付けて、手に持っているうちに爆発した。

     日本海沿岸は毎年一月から六月ごろまで、トドが沿岸に近づき、刺し網にかかった魚を網ごと食べるため、漁網の被害が続出している。留萌支庁水産課によると、一九九八年十月から九九年六月の留萌管内の被害額は約一億円。同漁協によると、四月がトド被害のピークで、カレイ漁の最盛期に重なる。

     トドは保護獣のため、道が全道で年間百十六頭に限って駆除しているが、被害が減る気配はなく、同漁協は「火薬玉で威嚇するのが唯一の対策。トドがいる間は網を出さない漁師も多い」と話している。

  • 家庭用除雪機と納屋の壁に挟まれ、旭川の男性が意識不明

     【旭川】二十三日午前十時五分ごろ、旭川市東旭川町上兵村、団体職員大沼毅さん(55)方の納屋で、大沼さんが家庭用除雪機と壁の間に挟まれているのを妻(51)が見つけ、旭川東署に届け出た。大沼さんは同市内の病院に運ばれたが、内臓破裂で意識不明の重体。

     調べによると、大沼さんは納屋にあった除雪機を移動させるため、後退させたところ、誤って除雪機と納屋の鉄板製の壁の間に挟まれたらしい。大沼さんは同日早朝から、妻と二人で納屋内を清掃していたが、事故当時、妻は離れたところで作業中だった。

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