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■社会

04月23日 08:00 更新

  • 有珠山周辺 泥流災害防止へハイテク機器続々

     噴火による噴出物が川にたまり泥流、土石流災害が懸念されている有珠山(七三二m)周辺に、無線で遠隔操作できるブルドーザーやショベルカーなどのハイテク重機が続々と集結している。大半が、雲仙普賢岳の噴火災害復旧現場から急きょ転用した機材。しかし、岸が川に迫る地形のため、操縦用車両が入りにくいなど、困難な作業が予想され、活躍のための関門も多い。

     建設省土木研究所によると、無人重機は長崎県の雲仙普賢岳の噴火を機に開発された。同岳では火砕流の危険区域内で土砂の除去や砂防ダムの掘削工事などに威力を発揮。二―五キロ離れた地点に設置された遠隔操作用の車から、重機に同行するキャタピラ式の無人移動カメラ車の画像を見ながら、無線で操作する。

     今回使うのは大型ブルドーザー(六○t)やショベルカー、ダンプカー、移動操作室積載車など計十一台。雲仙普賢岳から技術者とともにフェリーで送られ、二十二日までに伊達市内に五台が到着した。泥流発生の恐れが高まっている胆振管内虻田町内の板谷川中流部で、来週中にも遊砂池の掘削工事を始める。

     問題なのは板谷川の流域の狭く曲がりくねった地形だ。雲仙普賢岳では見通しが四、五百mあったが、「板谷川ではその半分以下」(建設省)。このため、電波の中継局も必要という。無人ダンプの通り道も隆起で段差が激しく、工事は難航が予想される。さらに、洞爺湖温泉街付近の工事は、重機の搬入そのものが困難という。

     一方、同研究所は、開発中の無人監視ヘリコプターも投入、作業中の安全確認や監視に役立てる。農薬散布用のラジコンヘリを改造し、全長は三・六m、重さ約七○キロ。テレビカメラを搭載し、高度三○―一五○mの低空から監視できる。無線操縦のほか、衛星利用測位システム(GPS)を使い、自分で地形を読みとりながらの飛行も可能だ。

     ある技術者は、「条件が合えば無人重機などは大活躍する。現場にどう合わせていくか、実用と開発は同時並行だ」と話している。

  • 避難所で誓いの杯−金子祐一・奈々さんが結婚式

     【壮瞥】有珠山噴火で別々に避難を強いられている金子祐一さん(27)=胆振管内壮瞥町壮瞥温泉=と浅利奈々さん(24)=同管内虻田町高砂=が二十二日、壮瞥町内の避難所の一つ、町農村環境改善センターで、避難住民に祝福されながら結婚式を挙げた。

     金子さんは室蘭市内、虻田町保育士の浅利さんは豊浦町生活改善センターで、それぞれ避難生活を送っている。

     二人は、この日に伊達市内で結婚式を予定していたが、噴火で延期に。金子さんが所属する壮瞥町商工会青年部の仲間が、同センターでの結婚式を企画した。

     この日入籍を済ませた二人は、羽織はかまと白むく姿。神棚を設けたロビーで誓いの杯を交わた。

     山中漠壮瞥町長も参列し、「二人は避難生活の希望の星。若い力の代表として頑張って」と感極まって、言葉を途切れさせながらあいさつ。同避難所で暮らす宮野幸美さん(66)も「新たな出発をする二人と、一から出直す私たち避難住民の決意は同じ。こんなにうれしいことはこの一カ月近くなかった」と、二人を祝っていた。

  • 庁舎は避難解除、住民の大半は豊浦に−いつ戻る? 虻田町役場

     【豊浦】有珠山噴火のため、胆振管内豊浦町に避難移転した虻田町役場が、避難指示が解除されても豊浦から動けずにいる。町職員や町民には、マチのシンボルである役場は町内に戻るべきだとする考えが根強い。しかし、避難住民が豊浦に多く、広く散らばる避難所の中心という好位置にあるうえ、子供たちが各地で避難先の学校に通い出し、役場がここで動くと、再び住民の大移動を引き起こしかねない事情もある。火山活動の行方をにらみながら、慎重に移転時期を探る日々が続く。

     虻田町の長崎良夫町長は周囲に「早く虻田に帰りたい」と口ぐせのように話す。仮住まいを脱し、気兼ねなく噴火対策をしたいという思いがにじむ。庁舎のある地区は避難指示が十三日に解除され、建物や水道に異常はなく、運び出したコンピューターや書類を戻せば再開できる状態という。

     町民の避難先は現在、八市町村に散らばる。車で一時間かかる長万部町にも八百人がいる。町幹部は「現状のまま役場が移転した場合、避難先の対応に職員が追われ、手不足となるのは明らか」と説明。町内や近隣への避難所集約を進めた上で役場移転、というシナリオを描く。その時期は二十五日には明らかにしたい、という。

     虻田町で避難解除された地域には約二千人が住んでいたが、同町は実際に帰宅したのは半分足らずと推定。種村潤助役は「“本丸”が戻らないと住民も帰りにくいのでは」とみる。

     だが、役場が町内に戻り、町民多数の帰宅をにつながった場合、せっかく避難先で落ち着き、学校に通いだした子供たちの環境が、再び変わる、という難題も抱える。

     安全確保の問題もつきまとう。住民避難後も職員と庁舎に残った町長が退去したのが三日。それから、火山活動が完全に沈静化したとは言えない。帰宅した住民の間にも、「山がいつ噴くか心配だ」と大噴火への懸念は消えず、長崎町長は「いざとなったら再避難もあり得る」と、火山活動をにらみながらの移転であることを認める。

  • 洞爺湖温泉町に男性1人が戻っているのを確認 きょうにも救助か

     【虻田】避難指示区域となっている噴火口近くの胆振管内虻田町洞爺湖温泉町の住宅街に、札幌在住の男性一人が戻って、実家にいることが二十二日、放置されたままのペットを保護するため無断で現地に入った動物愛護団体のメンバーによって確認された。有珠山噴火非常災害現地対策本部はこの男性の救出方法について、二十三日朝に各機関の協議を行い、同日午前にも救助に向かう方針だ。

     民間非営利団体(NPO)の「アニマル・ライツセンター」(本部・東京)によると、メンバーの男性二人が二十二日午前七時ごろ、温泉街に残されたペットの犬、ネコを連れ戻すため、避難生活を送っている四人の飼い主から委任状を受けて、徒歩で洞爺湖温泉町に入った。

     このうち、ネコの保護を頼んだ渡島管内長万部町に避難している男性(69)から、「札幌在住の息子(46)が自宅に戻っているかもしれない」と言われ、自宅で中年男性一人が、ベッドに横になっているのを確認した。メンバーはこの男性に「避難しなくていいのか」と声をかけたが、強く拒否され同行を断念。温泉街で保護した犬三匹を連れ、同日午後六時半ごろ同管内壮瞥町の道道洞爺湖登別線の封鎖ゲートまで、徒歩で戻った。

     北海道新聞社の取材に対し二人は、見つけた男性について「血色は悪くはなく、食料もあるようだ。二,三日ほど前に戻ったと言っていた」と語った。

     この家は国道230号に近く、噴火口から一キロ足らずの距離。付近の家はガラスが割れ、火山灰が多いところで五十cmくらい積もっていたという。

     この男性の父親は「息子は、噴火当時は温泉街にいて一時、伊達に避難していたが、二、三日前に連絡が取れなくなり、自宅に戻っているかもしれないと思った」と話した。

  • 避難指示地区に無断立ち入りの動物愛護団体が行動の正当性訴え

     「行政に働きかけても、動かないので、われわれが直接行動せざるをえなかった」。ペットを連れ戻すため二十二日、無断で避難指定区域の胆振管内虻田町洞爺湖温泉町に入り、自宅に戻っていた男性(46)を発見した動物愛護団体「アニマル・ライツセンター」のメンバー二人は、自分たちの行動の正当性を訴えた。

     二人は胆振管内壮瞥町の道道洞爺湖登別線の封鎖ゲートで、道警に事情を聴かれた際も、最初に出た言葉は「逃げ隠れはしない。まず、連れ帰った犬が衰弱しているので、動物病院に行かせてほしい」だった。

     同センターの川口進代表理事は、「国に再三働きかけ、この一週間はゲート前で中に入れるよう交渉したが、らちがあかなかった。今回の行動は二人が自分たちの判断で行ったものだが、ペナルティーは甘んじて受ける」とペット対策の遅れを指摘する。

     二人から電話報告を受けた同センターによると、犬猫の気配がある三十カ所に水やえさを置いたが、屋内のペットの多くは、水不足などで死亡しているようだ、という。ただ、外にいるペットは、思っていた以上に生き残っていたようだ。

     二人の行動に対し、道警などは「極めて危険な場所だ。”避難指示”という規制なので、処罰することは難しいが、今後立ち入り規制の徹底をはかる」と話している。

  • 土砂崩れで2人軽傷 豊頃の国道 太平洋側中心に大雨

     発達した低気圧の通過で道内は二十二日午後も、太平洋側を中心に強い雨が降り、各地で土砂崩れや道路冠水などの被害が相次いだ。十勝管内豊頃町の国道では、土砂崩れに巻き込まれたワゴン車の二人が軽傷を負った。小樽市内で線路近くに土砂が流れ出すなどしてJRのダイヤが乱れたほか、国道や道道の通行止めが拡大した。豪雨は同日夜までに峠を越したが、二十三日も全道的に雨が残る見込みだ。

     札幌管区気象台によると二十三日午前零時現在、二十一日未明の降り始めからの総雨量は、登別市カルルスで一九○ミリに達したほか、千歳市支笏湖畔で一七八ミリ、十勝管内広尾町で一六○ミリなど。

     帯広市や十勝管内大樹町、広尾町では道路や畑の冠水が相次ぎ、同市太平町の住宅一戸が床上浸水。幕別町では二十二日夕、町内を流れる猿別川、途別川が増水したため、住民千八百六人に避難勧告が出た。同町みずほ地区の二世帯八人が近くの小学校に一時避難したが、河川の増水が止まったため午後八時すぎに自宅に戻った。

     JR北海道によると、同日午後一時十分ごろ、小樽市朝里の函館線朝里―張碓間で、線路付近に約三十立方mの土砂が流出。四十五分後に運転を再開したが、普通列車二十二本が運休。十勝管内でも豪雨のため清水、池田町などで一時、運転を見合わせたため、根室線の特急、普通列車合わせて十二本が運休した。

     また、同日午後四時半ごろ、札幌市清田区有明の道道真駒内御料札幌線で土砂崩れが起き、延長約二十m、幅約十五m、高さ三―四mに土砂が積もった。午後九時半ごろには、十勝管内豊頃町礼作別の国道38号でも土砂崩れが発生。土砂とともに流出してきた樹木に、同管内芽室町の会社員(29)夫婦ら一家四人が乗ったワゴン車が衝突し、夫婦がフロントガラスに顔などを打ち軽傷を負った。

     道警交通管制センターによると、二十三日午前零時現在、国道は38号の豊頃町礼作別―同町明野間一九・○キロなど五路線、道道も真駒内御料札幌線など八路線が通行止めになっている。

  • 霧の影響で3便欠航 新千歳空港

     【千歳】二十二日午後、新千歳空港で霧による視界不良のため、日本航空の成田発新千歳行き565便と、新千歳発羽田行き526便、全日空の羽田発新千歳行き75便の計三便が欠航した。

  • ひき逃げ死亡者の身元判明−登別

     【登別】二十二日未明、登別市美園町三の道道で血を流して倒れているのを発見され、その後死亡した男性は、室蘭署の調べで同市新生町一、無職南原宏昌さん(70)と分かった。同署はひき逃げ事件と断定し、はねた車の行方を追っている。

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