4.10(月)

▼夕方の民放ニュースは,そろって「軌道修正」を伝えました.見出しテロップはANNが「有珠山は安定」,JNNが「爆発的噴火やや遠のく」.根拠はどの局もあんまり詳しく言わなかった.ちょっと早いなあ,というのが私の率直な感想です.自宅に戻るみなさん,一刻も気を緩めないようにね.(1825)
 
▼ウェブ:
短期的に安定した状態と分析 噴火予知連」毎日新聞
有珠山噴火活動「短期的には安定状態」」朝日新聞
有珠山、地殻変動も停滞=当面は小噴火続く−岡田教授」時事通信
有珠山「安定状態続に」予知連が見解一部修正」北海道新聞
 
▼昼のニュースで各局がどう伝えたか:
NHK「しばらくはいまのような小規模の噴火を繰り返す」「溶岩ドームの形成とそれにともなう爆発的噴火の可能性も指摘されています」
NNN(黒い火山灰にみとれて,アナウンサーの読みを聞きそこなった)
JNN「短期的には山頂からの大噴火の可能性がやや低くなった」「すぐに爆発的噴火が起こる可能性は低いとの見解」
FNN「すぐに爆発的噴火が起こる可能性は低くなった」
ANN「短期的にみれば,噴火活動は安定している」
 NHKは,これまでの表現を大きく変えることをしませんでした.一方,民放はすべての局が表現に変容をみせました.そのなかでは,JNNが一番正確に伝えているんじゃないかな?私の想像だけど.他局が「山頂からの」という条件句を外して報道したことが気になります.またANNが使った「安定」という言葉の意味が,視聴者に曲がって伝わったのではないかと心配です.高値安定だってあります.行政が緊張を緩め始めたいまがまさに,噴火防災の腕のみせどころです.(1215) 録画を再生してみたら,JNNも伊達市役所からの報告は他局と同じで楽観的だった.(1550)

▼地質調査所などからなる現地地質グループが,3.31火山灰の総量計算が公開しています.7万5000トンということです.ちばさん掲示板によると,日大グループによる(たぶん独立した計測の)結果は11万トンだそうです.公開された地質調査所ほかデータを用いて私がいつも使う経験式 V = 12.2TA で計算すると,19万トンすなわち噴火マグニチュードM1.3になります.思ったより小さかったという印象です.→過去の日本の噴火との比較(0845)

▼けさの北海道新聞サイトは「短期的には火砕流の恐れなし」−噴火予知連有珠山部会の見出しで記事を掲載しています(この記事はもうすでに外されて別の記事に置き換えられている.1204).また朝日新聞サイトも時事通信社の配信短期的には安定状態 爆発的噴火の恐れは残るをそのまま掲載しています.火砕流の危険について北海道新聞サイトのような楽観論が紙面で(つよく)語られるのは,きょうから伊達市の一部の住民に日中7時間の長時間帰宅が許されることと関係があると思われます.昨晩現地で開かれた記者会見で火山専門家が語った意見を,北海道新聞がその真意をそこなうことなく伝えているかどうか,私はいぶかしく思います.有珠山部会の昨晩の見解は,気象庁が発表する火山情報にまだ現れていません.この事実に気づくことが重要です.きょうは新聞休刊日だから,テレビ局がどのような報道をするかが注目されます(0620)