気象庁の失敗と違反と不誠実

火砕流情報 8.29火砕流の発表が,発生から12時間後になった.その根拠が部外情報.すなわち民間人によって大久保浜から撮影された海を走る火砕流だった.大久保浜は三宅島測候所のすぐ脇の浜.

噴煙高度 8.10噴煙の高度を3000メートル,8.18噴煙高度を8000メートル以上と発表した.それらはそれぞれ8000メートルと1万7000メートルであることがたしからしいことがわかってきた.その数値情報は噴火中あるいは噴火直後にインターネット上で公開されていたが,気象庁はそれを採用しなかった.現時点でも訂正情報を出していない(と思う).たしからしい数値は,島外からの写真・気象レーダー・人工衛星画像・航空機情報VAACなど.

緊急火山情報 伊豆部会の8.31見解を臨時火山情報として伝えた.私の公開質問に答えた気象庁は,生命・身体への危害が及ぶ可能性があるとみている.そしてその予知はできないと予知連会長が明言している.緊急火山情報を出さない理由がみつからない.緊急火山情報は現時点でもでていない.活動火山対策特別措置法21条火山情報の出し方(気象庁内規)に違反している.

発見者通報 8.29.0638ころのわたしから発見者通報を,三宅島測候所は却下した.情報確認もいまにいたるまでなされたという報告・報道がない.これは気象庁火山観測指針(観測編)4.4.3(4)に違反している.

大岩飛来の危険範囲 8.18噴火後しばらくして出された火山情報文面に,空中を飛来して着弾する大岩の危険が「中腹」にあると書かれたが,これが8.24.2205火山情報で,火山現象にとくに変化がなかったのに理由説明なく「山麓」に置き換えられている.

(9.03)


火山噴火予知連絡会は,気象庁長官の私的諮問機関にすぎない.法律に基づいて設置されている機関ではない.したがって,会長以下委員の法的責任を問うことはできない.

わが国の火山監視は,もっぱら気象庁の責務である.

(9.04.0710)