7.17(月)

カタが生じた

7.14-7.15噴火の結果として,カタができた(NHK7.17.1819;ムービー,22秒,3.7M).カタは伊豆大島でよく見られる.道路切り割りで,固くて肩のように出っ張っている火山灰のことだ.このカタの厚さは3.5cm.上半分は火山豆石をたくさん含んでいるようにみえる.伊豆大島のカタとまったく同じ特徴だ.
 伊豆大島にカタが何枚もあることは,三原山に縦穴火口があることと密接に関係すると考えられている.
 一方,三宅島の地表浅いところの若い地層にはカタがほとんどない.雄山に開口した縦穴火口がなかったこととこれはよく符合する.しかし7.8陥没でそこに三原山をしのぐ直径の縦穴火口ができたから,今後の三宅島の噴火はカタの生産で終了する様式がしばらく(〜数世紀)続くと思われる.21世紀を目前にして,三宅島の噴火様式が大きく変わったのだと考えるのがよい.
 伊豆大島のカタ一枚の厚さは,火口から3km程度の地域で数十cmだ.北東と南西にやや厚いが,全周にある.三宅島では,7.14に始まったカタの生産がこれから数ヶ月あるいは(長ければ)数年続くと思われる.
 カタは,一回の噴火の最後に現れる地層だが,まれに破局的爆発がそのあとに続くことがある.伊豆大島では,6世紀にそれが起こっていまのカルデラが生じた.→伊豆大島のフィールドガイド伊豆大島火山(小山真人@静岡大学),伊豆大島火山カルデラ形成以降の噴火史(小山・早川,1996)1855,7.18.0640

テレビ中継塔 さだぞうさん@坪田によると,雄山山頂のテレビ中継塔はまだあるとのことです.つまり,7.14.1800ANN映像以降の火口の拡大はさほど大きくないようです.(1250)

悪い知らせ,良い知らせ

新島・式根島・神津島の地殻変動

読売新聞7.16朝刊一面の図がわかりやすい.
ヨミウリ・オンラインにある記事テキスト
国土地理院GPSページ
(0935)

7.8.1841火山灰の出口は火口東端線上

7.8.1841噴火を坪田の三宅高校から(さだぞうさん@坪田による判定)とらえたFNN画像をみると,幅1kmちかくの黒いジェットが上がったことがわかる.ムービー,22秒,3.7M

7.11に私がここで公開した写真判読で,のあたりに火道があるだろうと述べたのはたぶん誤りであって,図中,白で囲った垂直に近い壁に沿ってジェットが上がったと解釈するのがよいだろう.(0835)
 
三宅島収支
7.08.1841から7分間 陥没1億トン,火山灰放出2万トン(都道で1mmみつもり)
7.14.0410から断続的に33時間 陥没1億トン,火山灰放出300万トン(都道で40mmみつもり)
地下に陥没した量は膨大.大気中に放出された火山灰は,そのわずか1.5%.
(0810/1150/1920/7.18.0640)