7.11(火)

三宅島の噴火史 三宅島の噴火史研究は,さいきん津久井・鈴木(1998,火山,149-166)にまとめられました.この論文に引用されている私の講演要旨(早川,1990,日本地質学会)と,そのときにつくった地質図層序表をここで公開します.

もちろん津久井さんたちの火山論文は時間をかけて詳しく論述されたものですから,それがもっとも尊重されるべきですが,10年前に私が考えたことの概略をみなさんに知っていただくことにも意味があるだろうと思って公開します.津久井さんたちの結論と違うところがいくつかあります.さらに私自身も1990年以降解釈を変えています.

3000年前に噴出して島内に厚く堆積した火山豆石が,八丁平火口から生じたのか,桑木平カルデラから生じたのかを明らかにすることが重要です.一色直記さんは,1977年に桑木平カルデラが生じたと考えました(火山学会講演要旨).1990年の私は八丁平火口だと考えましたが,その後,一色さんと同意見の桑木平カルデラに考えを変えました(→火山の噴火史,三宅島).津久井さんたちは八丁平火口だと考えています.(1515/7.12.1250)

空中写真判読 アジア航測が7.9にとった写真no.3133を判読して,陥没火口内外で観察できる事項をその写真の上に記入しました.火口縁はまだ拡大を続けています.写真を毎日何回か撮ってほしい.その変化のようすが記録できます.(1335)