定 期 火 山 情 報 第 10 号(テキストのみ.図は省略しました)

平成12年10月10日10時
軽井沢測候所 発表

火山名 浅 間 山

1.概況
    9月の浅間山は,18日から火山性地震が多発し始め,19日にもっとも地
震活動が活発な状態となりました。20日以降,地震回数は減少傾向を示し,
24日にはほぼ活発化以前の状態に戻っています。この地震回数が急増した活
動以外では,噴煙活動やその他の火山活動に異常な変化は認められませんでし
た。
なお,地震回数が急増したことにより,19日に臨時火山情報第1号を発表
しました。その前後の地震回数・発生状況等については,火山観測情報によっ
て第1号(19日発表)以降随時お知らせし,活発化以前の状態に戻ったことか
ら同第9号(25日発表)をもって中止としました。
    10月に入ってからは,地震の日回数は10回前後かそれ以下の少ない状態
で推移しており,噴煙活動についても大きな変化は観測されていません。

2.遠望観測
    9月は,悪天等のため山頂の見えなかった日は13日間でした。
    観測できた17日間のうち,噴煙なしの日が6日間あり,噴煙が観測された
   11日間の結果(日最大値)は次のとおりです。

噴煙の色:すべて白色。
     噴煙の量:2(少量)が4回,その他は1(きわめて少量)以下。
    噴煙高度:500mが1回(21日),その他は300m以下。
    9月は,月の前半に観測できない日が多かったものの,今期間も噴煙量3以
上は観測されず,全体として噴煙量は少ない状態でした。地震が急増した期間
やその前後にも,噴煙の状態に異常は観測されませんでした。

3.震動観測
    9月の地震回数は,月合計でみると火口にもっとも近いB点が1337回と
なり,5月から8月まで続いたB点月合計回数が 100回前後という少ない状態
から大きく上回ったものとなりました。月合計回数が1000回以上となったのは1996年12月(1067回)以来でした。
B点日別回数でみると,17日までは5回以下で経過していましたが,18
日から19日にかけて急増し,18日は136回,19日は431回に達しま
した。とくに19日18時からの1時間では43回,19時からの1時間では
36回など,19日夜が今回の地震活動のピークとなりました。19日以降も
20日は312回,21日は243回と200回以上の日が続きましたが,減
少傾向は顕著で,22日からはさらに急減し,24日にはほぼ活発化以前の状
態に戻りました。25日以降は10回以下で経過し,再活発化する活動はあり
ませんでした。
 最近の地震急増の活動例としては,1996年11月10日の日回数が 216回,1999
年8月9日の 180回,2000年4月17日の 161回の3例がありますが,9月19
日の431回はこれらを大きく上回るもので,1973年5月24日の584回以来
となりました。また,最近の上記3例の活動は,いずれも急増後数日以内で平
常レベルに戻っていますが,今回の活動も回数は大きく上回ったものの,急増
後2日目をピークにして,やはりほぼ1週間で活発化以前の状態に戻るといっ
た類似の活動経過を示しました。
地震の大きさについてみると,回数がもっとも多くなった19日と20日を
中心に比較的大きな地震が観測されましたが,基準観測点のA点で最大振幅が
1. 0マイクロメートル以上のものは8回のみで,最大でも 1.8マイクロメートル(20日)で
した。期間全体でも,5マイクロメートルを超えるようなとくに規模の大きい地震の発
生はなく,震度1以上を観測する地震もありませんでした。20日以降は,地
震回数減少とともに地震の規模も小さいものばかりになってくるという通常の
傾向を示しました。
 火山性微動は,この期間内も観測されず,昨年9月の1回以降は発生してい
ません。

<2000年9月 補足資料>
◎火山情報の発表状況
 9月18日からの地震活動活発化について発表した火山情報は以下のとおり。
・火山観測情報第1号 9月19日09:40,同2号 19日16:30
(地震の増加)
・臨時火山情報第1号 9月19日20:50 (地震の多発・急増)
・火山観測情報第3号 9月20日09:40,同4号 20日16:00
 同5号 21日10:00,同6号21日16:00,同7号 22日16:00
 同8号 23日16:00,同9号25日10:00(地震の発生状況等)
 なお,臨時火山情報は1996年11月10日の地震急増時以来。
 また,火山観測情報は1999年8月8日からの地震多発に対
 して8月9日から13日にかけて6回発表して以来。
◎浅間山の最近の活動資料
・1980年以降の噴火活動は以下のとおり。
1982. 4.26 中爆発 小規模火砕流発生,関東まで降灰。
1982.10. 2 微噴火 群馬県長野原町に少量の降灰。
1983. 4. 8 中爆発 山腹で山火事,関東・福島まで降灰。
1990. 7.20 微噴火 東山麓の狭い範囲で微量の降灰。
・1964年以降で,B点日別地震回数が300回を超えた例。
 1964.3.12−608回,1973.2.1−306回,1973.2.17−1895回,
 1973.2.18−1611回,1973.5.24−584回,1973.5.25−348回
 1982.1.17−361回の7例。また,1964年以降でB点日別回
 数200回以上の日が3日連続したのは,2000年9月が初。
・1964年以降で,浅間山の火山性地震により軽井沢測候所
 が有感を観測したのは,1994年11月24日の震度1が1回
 あるのみ。


火 山 観 測 情 報
  
第 9 号
 
平成12年9月25日10時00分
軽 井 沢 測 候 所   発 表

火山名  浅 間 山

浅間山では,9月18日から火山性地震が多発しましたが,20日以降は
減少を続け,地震回数は少ない状態となってきました。

気象庁B点(火口から南約2km)の地震計による18日からの地震回数は次のとお
りです。
   9月18日  138回
      19日  431回
     20日  310回
     21日  243回
      22日   96回
      23日   33回
24日   14回
25日    4回(0時〜9時 速報値)
18日からの総回数は1,269回です。このうち,震度1以上を観測する地震は
発生していません。また,火山性微動も観測されていません。
23日以降の地震回数は,1日あたり50回以下で経過する状態となっています。な
お,浅間山についての平常時における地震回数は,最近では1日あたり数回から数十
回というレベルです。

このように,浅間山の火山性地震の回数は,平常時のレベルに戻ってきており,とく
に注意を要する状態は観測されなくなりました。このため,19日発表の臨時火山情
報第1号に関連して発表してきた火山観測情報は,本日の第9号をもって中止しま
す。

今後も火山活動に大きな変化が観測された場合は,随時,火山情報でお知らせしま
す。


火 山 観 測 情 報
 
第 8 号

平成12年9月23日16時00分
軽 井 沢 測 候 所   発 表

火山名  浅 間 山

浅間山では,9月18日から火山性地震が多発した状態となりましたが,
その後,現在までの活動状況をお知らせします。

気象庁B点(火口から南約2km)の地震計による18日からの地震回数は次のとお
りです。
   9月18日00時〜24時   138回
      19日00時〜24時   431回
     20日00時〜24時   310回
     21日00時〜24時   243回
      22日00時〜24時    96回
      23日00時〜15時    25回 (速報値)

18日からの総回数は1,243回です。このうち,震度1以上を観測する地震は
発生していません。また,火山性微動も観測されていません。
19日以降の地震回数は減少傾向を続けており,昨日(22日)の合計回数は100
回以下となりました。本日(23日)に入ってからも,1時間あたりの地震回数は5
回以下で経過しており,さらに少ない状態となっています。
 なお,遠望観測による本日の噴煙の状況については,天候が悪く不明です。

このように浅間山は,19日に地震活動がもっとも活発になった後,地震回数が減少
してきていますが,今後増減を繰り返す可能性もあり,しばらくは火山活動に注意が
必要です。

次の火山観測情報は,明後日(25日)10時頃に発表する予定ですが,活動に大き
な変化があれば随時,火山情報でお知らせします。


火 山 観 測 情 報
  
第 7 号
 
平成12年9月22日16時00分
軽 井 沢 測 候 所   発 表

火山名  浅 間 山

浅間山では,9月18日から火山性地震が多発した状態となりましたが,
その後,現在までの活動状況をお知らせします。

気象庁B点(火口から南約2km)の地震計による18日からの地震回数は次のとお
りです。
   9月18日00時〜24時   138回
      19日00時〜24時   431回
     20日00時〜24時   310回
     21日00時〜24時   243回
      22日00時〜12時    55回
         12時〜15時     8回 (速報値)
本日(22日)0時から15時までの合計回数は63回,18日からの総回数は
1,185回です。このうち,震度1以上を観測する地震は発生していません。火山
性微動も観測されていません。
昨日(21日)から本日15時にかけても,依然として平常時よりは地震が多い状態
ですが,本日に入ってからの1時間あたりの地震回数は5回前後で経過しており,全
体として減少傾向を示しています。

 また,遠望観測による噴煙の状況に異常はありません。本日15時までの観測で
は,噴煙の色は白色,噴煙量は1(きわめて少量),噴煙の高さの最高は火口上20
0mで,とくに大きな変化はありません。

このように浅間山は,19日に地震活動がもっとも活発になった後,地震回数が減少
してきていますが,今後増減を繰り返す可能性もあり,しばらくは火山活動に注意が
必要です。
次の火山観測情報は,明日(23日)16時頃に発表する予定ですが,活動に大きな
変化があれば随時,火山情報でお知らせします。


火 山 観 測 情 報
  
第 6 号
 
   平成12年9月21日16時00分
  軽 井 沢 測 候 所   発 表

火山名  浅 間 山

浅間山では,9月18日から火山性地震が多発した状態が続いています。現在までの
活動状況をお知らせします。

気象庁B点(火口から南約2km)の地震計による18日からの地震回数は次のとお
りです。
   9月18日00時〜24時   138回
      19日00時〜24時   431回
     20日00時〜24時   310回
     21日00時〜09時   101回
09時〜12時    35回
12時〜15時    24回  (速報値)
本日(21日)0時から15時までの合計回数は160回,18日からの総回数は
1,039回となっています。
本日9時以降の1時間あたりの地震回数は10回前後で推移しており,昨日(20
日)と比べていくぶん減少してきているものの,依然として平常時よりは地震が多い
状態です。

 なお,火山性微動は観測されていません。
 また,遠望観測による噴煙の状況に異常はありません。本日15時までの観測で
は,噴煙の色は白色,噴煙量は2(少量),噴煙の高さは500mで,とくに大きな
変化はありません。

浅間山の地震活動は活発な状態が続いていますので,火山活動に十分注意してくださ
い。
次の火山観測情報は,明日(22日)16時頃に発表する予定ですが,活動に大きな
変化があれば随時,火山情報でお知らせします。


火 山 観 測 情 報
  
第 5 号
平成12年9月21日10時00分
軽 井 沢 測 候 所   発 表

火山名  浅 間 山

浅間山では,9月18日から火山性地震が多発した状態が続いています。現在までの
活動状況をお知らせします。

気象庁B点(火口から南約2km)の地震計による18日からの地震回数は次のとお
りです。
   9月18日00時〜24時   138回
      19日00時〜24時   431回
     20日00時〜24時   310回
     21日00時〜03時    24回
03時〜06時    36回
06時〜09時    42回  (速報値)
本日(21日)0時から9時までの合計回数は102回,18日からの総回数は9
81回となっています。
昨日(20日)の地震回数は310回となり,19日からはいくぶん減少したもの
の,引き続き地震が多い状態です。本日に入ってからも1時間あたり15回前後で推
移しています。

 なお,火山性微動は観測されていません。
 また,遠望観測による噴煙の状況に異常はありません。本日9時までの
観測では,噴煙の色は白色,噴煙量は1(きわめて少量),噴煙の高さは
100mでとくに大きな変化はありません。

浅間山の地震活動は活発な状態が続いていますので,火山活動に十分注意してくださ
い。
次の火山観測情報は,本日16時頃に発表する予定ですが,活動に大きな変化があれ
ば随時,火山情報でお知らせします。


火 山 観 測 情 報
第 4 号
 
平成12年9月20日16時00分
軽 井 沢 測 候 所   発 表

火山名  浅 間 山

浅間山では,9月18日から火山性地震が多発した状態が続いています。現在までの
活動状況をお知らせします。

気象庁B点(火口から南約2km)の地震計による18日からの地震回数は次のとお
りです。
   9月18日00時〜24時   138回
      19日00時〜24時   431回
     20日00時〜09時   145回
        09時〜12時    39回
        12時〜15時    43回  (速報値)
本日(20日)0時から15時までの合計回数は227回,18日からの総回数は
796回となっています。
本日9時以降も,1時間あたり15回前後で推移しており,15時までの合計が20
0回を超えるなど,引き続き地震が多い状態です。

 なお,火山性微動は観測されていません。
 また,遠望観測による噴煙の状況に異常はありません。本日15時までの観測で
は,噴煙の色は白色,噴煙量は2(少量),噴煙の高さは300mでとくに大きな変
化はありません。

浅間山の地震活動は活発な状態となっていますので,火山活動に十分注意してくださ
い。
次の火山観測情報は,明日(21日)10時頃に発表する予定ですが,活動に大きな
変化があれば随時,火山情報でお知らせします。


火 山 観 測 情 報
  
第 3 号
平成12年9月20日09時40分
軽 井 沢 測 候 所   発 表
火山名  浅 間 山

浅間山では,9月18日から火山性地震が多発し,昨日(19日)20時50分に臨
時火山情報第1号を発表しました。その後の活動状況をお知らせします。

18日朝方から増加した火山性地震は,昨日(19日)18時頃からさらに多くな
り,1時間あたり40回程度となりました。気象庁B点(火口から南約2km)の地
震計による18日からの地震回数は次のとおりです。
   9月18日00時〜24時   138回
      19日00時〜24時   431回
     20日00時〜03時    45回
        03時〜06時    67回
        06時〜09時    47回  (速報値)
9月20日0時から9時までの合計回数は159回,18日からの総回数は728
回となっています。
本日(20日)に入ってからも,1時間あたり10回から30回程度で増減を繰り返
しており,引き続き地震が多い状態です。また,19日の地震回数は431回で,4
00回を超えたのは1973年5月24日の584回以来となりました。

 なお,火山性微動は観測されていません。
 また,遠望観測による噴煙の状況にとくに異常はありません。本日09時までの観
測では,噴煙の色は白色,噴煙量は1(きわめて少量),噴煙の高さは100mで大
きな変化はありません。

浅間山の地震活動は活発な状態となっていますので,火山活動に十分注意してくださ
い。
次の火山観測情報は,本日16時頃に発表する予定ですが,活動に大きな変化があれ
ば随時,火山情報でお知らせします。


臨 時 火 山 情 報
  
第 1 号
 
平成12年9月19日20時50分
軽 井 沢 測 候 所   発 表

火山名  浅 間 山

 浅間山では、昨日(9月18日)から火山性地震が多発し始め、本日
(19日)18時頃からその回数がさらに多くなっています。

 気象庁B点(火口から南約2km)の地震計では、浅間山の地震回数は、9月に
入ってから17日までは、1日あたり5回以下の状態でしたが、昨日(18日)朝方
から火山性地震が増加し始め、1時間あたり15回程度の多い状態で推移しました。
本日(19日)18時頃からはさらに多くなり、1時間あたり40回程度となってい
ます。本日0時から20時までの総回数は、360回となっています。

 なお、火山性微動は観測されていません。
 噴煙の状況については、夜間のため不明です。

 浅間山の地震活動は、ここ数年では最も活発な状態となっていますので、今後の火
山活動に十分注意してください。


火 山 観 測 情 報
  
第 2 号
平成12年9月19日16時30分
軽 井 沢 測 候 所   発 表

火山名  浅 間 山

 浅間山では,9月18日から火山性地震が増加しており,19日09時
40分に火山観測情報第1号を発表しました。その後の活動状況をお知ら
せします。

 火口にもっとも近いB点の地震計(火口から南約2km)で観測された
18日からの地震回数は次のとおりです。
   
 9月18日00時〜24時   138回
   19日00時〜03時    51回
      03時〜06時    50回
      06時〜09時    41回
       09時〜12時    42回
       12時〜15時    53回 (速報値)

 9月19日00時〜15時までの合計回数は237回です。
    
 19日15時までの地震回数は,1時間当たり15回程度で推移しており,
18日の増加以降,地震のやや多い状態が現在も継続しています。
 なお,火山性微動は観測されていません。
軽井沢測候所からの遠望観測では,09時以降雲のため噴煙の状況は不明です。

 次の火山観測情報は,20日09時30分頃に発表する予定です。


火 山 観 測 情 報
第 1 号
平成12年9月19日09時40分
軽 井 沢 測 候 所   発 表
火山名  浅 間 山

 浅間山の火山性地震が増加しています。
 浅間山では,昨日18日から火山性地震が多くなっており,火口にもっとも近いB

の地震計(火口から南約2km)で観測された19日09時までの地震回数は次のとお
りです。
 9月18日00時〜24時   138回
    19日00時〜03時    51回
    03時〜06時    50回
    06時〜09時    41回 (速報値)
 9月19日00時〜09時までの合計回数は142回です。 

浅間山の今年に入ってからの活動は,4月中旬に一時的に地震が増加して17日に
161回を観測しましたが,それ以外は地震回数の少ない状態で,比較的低い活動レベ
ルで経過していました。4月を除きB点の月合計回数は,100回前後,1日当たりの
回数は数回〜10回程度と少なく,9月に入ってからも17日までは,1日当たりの
地震回数はすべて5回以下でした。18日になって火山性地震が増加し,地震活動状
態に変化が観測されました。
なお,火山性微動は観測されていません。
また,遠望観測による噴煙の状態については,18日の噴煙量は1(きわめて少
量),19日09時までの観測でも噴煙量は1で,少ない状態が続いており,噴煙活
動やその他表面現象に異常は観測されていません。
今後も,浅間山の十分な監視を継続し,火山活動に変化があった場合は,  火山情
報でお知らせします。


定 期 火 山 情 報

  第 9 号

   平成12年9月11日10時
  軽井沢測候所 発表

火山名 浅 間 山

添付図がありますが,ここでは紹介しません)

1.概況
    8月の浅間山は,地震活動・噴煙活動ともとくに目立った活動の変化はなく,
比較的落ち着いた状態でした。
    9月に入ってからも,噴煙活動に変化はなく,地震回数も少ない状態が続い
ています。

2.遠望観測
    8月は,悪天等のため山頂の見えなかった日は9日間でした。
    観測できた22日間のうち,噴煙なしの日が9日間あり,噴煙が観測された
   13日間の結果(日最大値)は次のとおりです。
    噴煙の色:すべて白色。
     噴煙の量:すべて1(きわめて少量)。
    噴煙高度:200mが3回,その他は100m以下。
    8月も期間をとおして噴煙の少ない状態が続きました。噴煙量2以上は観測
されず,月別最大噴煙量が1(きわめて少量)であったのは,6月に続き今年
2回目でした。

3.震動観測
    8月の地震回数は,月合計でみると火口にもっとも近いB点が81回,基準
   観測点のA点では20回と,7月の月合計(B点45回,A点13回)と比べ
ていくぶん多くなりましたが,急増といえるような活発化は観測されませんで
した。5月以降のB点月合計回数100回前後という低い活動レベルは,この
期間も大きな変化がないまま引き続きました。

B点の日別回数でみても,月をとおして平均して少ない状態で,目立った変
   化はありませんでした。このうち,日回数がもっとも多かったのは6日の8回
でした。
    地震の大きさについてみると,月の後半に比較的大きめの地震が多いという
状態でしたが,これも大きな変化とまではいえないものでした。基準観測点の
A点で最大振幅がもっとも大きかったものは,4日の 0.9マイクロメートルでした。
 火山性微動は,この期間も観測されませんでした。

4.現地観測
    8月29日,30日に浅間山周辺の湧水の水温,pH等の観測を実施しまし
たが,従来の観測値に比べ大きな差異はなく,各観測点ともとくに異常は認め
られませんでした。