春の上高地 1999年5月

5.13-5.16に3泊4日で上高地に行って来ました.小梨平キャンプ場に泊まりました.

河童橋と奥穂高岳(3190m).高山市付近に分布する丹生川凝灰岩は,いまから180万年前に奥穂高岳から流れ下った大規模火砕流の堆積物だ.したがって,日本第三の高峰である奥穂高岳は第四紀火山であるといえる.

河童橋の西岸にある大きなケショウヤナギ.

明神の先でみた梓川.これが,広い氾濫源をもつ自然の川の姿だ.ケショウヤナギの孤立木がいくつかみえる.ケショウヤナギは,数十年に一度くらいの洪水で地表が頻繁に更新される土地に生える.もし洪水が何百年もないとそこは,ハルニレやウレジロモミの林になってしまう.

徳沢の手前からみた明神岳.あまり知られてないが,2931mある立派な山だ.

林床では,ニリンソウがいまを盛りに咲いていた.ニリンソウはカタクリとともに春植物の代表として知られる.春植物は,林の樹木に葉がつく前の短い期間内に,開花から受粉・結実までを大急ぎですませる.

田代池にある流れ山は焼岳からの岩なだれでなく,東の霞沢岳からのものだ.カコウ岩の礫が交じっている.

大正池からみた焼岳.高くそびえるドームは2000年前の噴火でできた.上半分は溶岩,下半分はそれが崩れてできた崖錐スロープからなる.岐阜県側の中尾温泉は,その噴火のときに蒲田川を下った熱雲の堆積物の上にある.

1915年6月の噴火のとき崖錐スロープから発生した土石流が梓川をせき止めて大正池が生じた.


小梨平キャンプ場 カラマツ林の中に中川が流れる気持ちのよいキャンプ場.梓川沿いからは岳沢を前に抱いた奥穂高岳がよくみえる.1泊500円.入浴400円.焚き火ができるのがうれしい.バスターミナルから歩いて10分だから,少し荷物になるが,椅子やグランドシートを持ち込むとよいだろう.もし雨に降られたら,素泊まりやバンガロー泊に変更することもできる.