8月11日ヨーロッパ皆既日食は「1999の年,7の月」

1999の年,7の月
恐怖の大王が天より降り立つ
アンゴルモアの大王を蘇らせ
その前後は幸運に守られて火星が君臨する
(ノストラダムス『百詩篇集』10巻72篇,1568年)

この予言詩にある「天より降り立つ恐怖の大王」はモンゴル出身の力士旭鷲山だという説もあるようですが,8月11日にヨーロッパを横断する皆既日食のことだと考える人が多いようです.じっさい,ウェブでノストラダムスを検索すると,すぐこの説に行き当たります.この日,パリでは太陽の99%が欠け,シュツットガルト・ミュンヘン・ブカレストなどのヨーロッパ諸都市で100%皆既食となります.

8月11日だから7の月ではない,と思うのは早計です.これはグレゴリオ暦.ノストラダムスの時代に使われていたユリウス暦では7月29日.ちゃんと「7の月」になります.

このことをきちんと理解しているウェブページは,私が調べた限りでは,以下の三つでした.

ノストラダムス研究室掲示板
>Stella さん 99年 01月 22日 20時 51分 14秒
> 日食は8月11日ですね(ユリウス暦だと7月の範囲内)

大予言中の大予言を解く
>八月十一日は七月二十九日に当たるのだ。 ノストラダ
>ムスは皆既日食を七月二十九日と正確に計算したから「七の月」ということになったのだ。

特報2001
>つまり真に恐れるべきはユリウス暦の7月、8月
> 11日だ。

1999.7.6


皆既日食時に,全天に君臨するのは火星ではなく金星だそうだ.ノストラダムスの詩がこの皆既日食を予言していたと思うのは,あまりに彼に好意的な解釈であるようだ.

1999.7.17