1998.7.23 車坂峠から浅間山へ

標高2000mから登り始める.

車坂峠と篭ノ登山を振り返って休憩.


トーミノ頭(2300m)から,気持ちのいい草すべりを湯ノ平まで一気に300m下る.高山
植物が満開だ.カモシカが私たちをけげんそうにながめていた.黒斑の壁の緑が美しい.

湯ノ平で水を飲んでひと休みしたあと,前掛山500mを登り始める.まもなく登山道脇で,衝突クレーターに囲まれた大きな岩を発見.20世紀前半に頻発したブルカノ式爆発によるものだ.

前掛火口の中に1783年につくられた釜山の斜面は20世紀前半のブルカノ式砂礫で熱く覆われているが,そこにはいまイタドリが侵入している.20世紀後半の浅間山の爆発回数が,前半に比べて格段少ないからだ.

火口底をのぞき込む.釜山の断面100mが垂直の壁をつくっている.その下が漏斗状になって火山ガスを噴き出している.露出した噴出口のまわりには黄色い硫黄がみえる.風下側に回ると亜硫酸ガスのにおいがきつかった.

火口縁での20世紀前半のブルカノ式砂礫の厚さは,風上側(西)ではこのように10mと薄いが,風下側(東)では50mもある.

1950年9月23日の爆発で,北火口縁にのった千トン岩.この岩があるあたりの火口縁がもっとも低い.1783年の鬼押出し溶岩はここから溢れ出した.次の溶岩や火砕流もここから溢れ出るのだろう.