12.29 カメハメハ大王と対面(星 裕貴)

 12月29日のことだった。マウナロア&マウナケアのツイン・ピークスを目指す者とは正反対に、リゾート気分を味わおうという一行があった。メンバーは、早川先生、堀越さん、田村さん、武井さん、小島さん、そしてわたくし星だった。

 私たちは、この日の行き先をノースコハラへと向けた。午前中に出発した一行が最初についたのは、かの「カメハメハ大王」の元であった。公園で立ちつくす彼を想像していた私は驚いた。彼は道のすぐそばに私たちの方を向いて立っていた。くっきりとした顔立ち、凛とした瞳、そっとさしのべた手は私たちを優しく迎えてくれた。偉大な王のその姿に威厳と優しさを感じながら私は、同じポーズで写真を撮らせていただいた。

 続いて向かったのはそこから東に行った、「ポロル渓谷」だ。観光客の割には少ない駐車スペースに車を止め、その渓谷を見ると、雄大な景色が広がった。深く刻み込まれた谷、青と碧の入り交じった海、そして白い雲の飾り付けをした澄んだ空。手前に生えたヤシがその景色にアクセントを添えていた。中には日本人の観光客も来ていて、久しぶりに私たち以外の日本語を聞くことができたが、何か変な感じがした。お昼も近くなったのでその場を去ることにし、ハウイの街へと向かうことにした。

 街のコインランドリーに車を止め歩いた。素朴な街並みだが、観光客を相手にしているためか現地の街並みではないような感じがした。いくつかのレストランをのぞき、決めたのは「Bambooレストラン」だった。柔らかな日差しがその店の雰囲気を作っていた。オーナーと思われる太ったおばちゃん、きゅっと締まったからだつきのウエイター、聞こえてくる英語の会話、日本を離れた感じを一層増してくれた。メニュウーは、現地のものというよりは、アジアチックなものであった。ピリ辛い+ココナッツミルクの甘い風味であった。麺類は”うどん”そのものであった。チップについては・・・なんとちゃっかりしているのか請求額にきっちり含まれていた。ちょっと期待していたのにナー。お腹の膨れた私たちは、消化すべく、全米No1のビーチ、「ハプナビーチ」へと向かった。

 天気も良かったせいか、駐車場は満杯。かろうじて2台置くことに成功した私たちは、改めてビーチへと足を運んだ。ビーチはまるで「大洗」と化していた。人人人、人の山であった。とりあえず着替えの場所をキープし、ここに来る途中に買っておいたパイナップルを食べることにた。小型ナイフで切られたその断面は、濃い黄色をしていて、よく熟した甘い香りを漂わせていた。がぶっとかぶりつくと予想を遥かに越えた濃厚な風味が口の中を支配した。一呼吸ついた後、海へと向かった。大洗より波が高い。早川先生は、まるで”水を得た魚”状態だった。子供と変わらないその姿に、より一層の親近感を覚えた。私はというと・・・日本とハワイの砂の中に恥ずかしい姿となって埋まっていた。1時間あまり遊んだ私たちは、ショッピングをかねて「ヒルトン ワイコロア ビレッジ」へと向かうことにした。

 ヒルトンは、豪華だった。とにかく金がかかったところだった。運河さえ流れる敷地に集まったホテル、ショッピングセンターなど日本人向けとしか言い表せないような過度に豪華な作りは、敬遠したくなる気持ちまで生まれるほどだった。「King's Gold」というショッピングセンターで買い物をして、さらに過度に装飾されたホテルのロビーを見てその場を離れることにした。車に向かう途中、MCMのバッグを背負った女の子3人組がいて、「ああ、こっちでもはやってるのかなー」と思ったら日本人だった。やっぱそんなもんか・・・

 今日の旅では自然の美しさから人間のエゴまで見えた気がした。やはり自然がいいナー。