12.27 サーストン溶岩トンネル(武井伸光)

 雨はしとしとと降りはじめました。中村庄八さん,佐藤成夫くんと筆者の3人は,雨具を取り出して,サーストン溶岩トンネルに向かいます。周辺は,熱帯雨林が広がります。辺りは,ソテツ(?)やシダの林で,やはりここは熱帯地方なのだ,と思わせます。 シダの木の高さは 10m 程度,葉も日本のものと比べると一回り大きい感じがします。 トレイルの起点には, 熱帯雨林 (Rain Forest) の説明板があり,周辺の植生や分布する動物を説明しています。

 サーストン溶岩トンネルの入り口に来ました。さっそく中へ。

 溶岩トンネルの直径は,ほぼ 5m。 壁面には床面と平行な数段の水位線が見られます。これらは,マグマがこのトンネルを通過してゆく時につけられたものです。いくつかの段階を経て,溶岩の流量は減少していったのだと思われます。

 全長数キロメートルのうち一般に公開されている(=内部を歩ける)のは 120m だそうです。溶岩トンネルは,曲がりくねっていず,おおむね直線状で,内径はほとんど一定のまま東に伸びています。これは,溶岩を運搬する時に最短距離で動こうとすることの結果でしょう。

 内部には数メートル間隔で照明が点灯しているので,観察はしやすいです。 350-500年前に,キラウェアイキ火口を満たした溶岩の一部が,火口直下から溶岩トンネルを形成しながら東へ向けて流下しました。内部に流れる溶岩がなくなった時に,現在のサーストン溶岩トンネルが形成されたというわけです。

 あっという間に出口に着いてしまいました。そこから,また熱帯雨林の中を通りキラウェア・イキに向かいます。