12.27 いい匂いのナマカニパイオ・キャンプ場(堀越郁夫)

泊まることになったいきさつ

 今回のハワイ旅行の計画の際、このキャンプ場の存在を知り、安いB&B宿泊という皆の気持ちがキャンプに傾いていった。キラウエアの中にあって見学にも便利なことから、計画段階の第一候補であった。しかし、1200mと標高が高く寒いのではとの心配から補欠になった。無料で申請も不要なので、現地を見てから決めることにした。

 キラウエア見学の一日目に、下見を兼ねて、昼食を食べに立ち寄り、雰囲気のよさを実感した。しかし、寒いのではという不安はぬぐいされなかった。その夜は、予約してあったプナルウ・ビーチパークに宿泊した。が、現地の人の怪しげな雰囲気に耐えかねて、次の朝、ナマカニパイオへそそくさと移動した。暖かさより治安を優先したのである。

これでタダ?整った環境!

 ナマカニパイオ・キャンプ場は、大きな木が茂った森の中にある。キラウエアのすぐそばとは思えない.大きなユーカリの木がいい匂いだ。芝生がみずみずしく、寝心地が良さそうだ。キャンプサイトはセンスよくレイアウトされている。キャンプ場内を一周する道があり、車でキャンプサイトに横付けできる。各サイトにはピクニックテーブルと、焚き火用のかまどが備えられている。ピクニックテーブルと焚き火用のかまどを備えた大きな東屋もある。我々の一行は、この東屋のまわりに陣をはった。きれいに清掃されているトイレには、ペーパータオルまで備えられている。これで、無許可、タダで7日間滞在できるのだ!日本のオートキャンプ場に見習ってもらいたいもんだ。

まじめなキャンプ場のふまじめな私たち

 最初の夜、我々はドロドロの溶岩を見た後、ここへ帰ってきた。10時を過ぎていた。朝設営したテントは霧に濡れて、我々の帰りを待っていた。異常なし。治安が良さそうだ。

 ドロドロの溶岩を見ることができたことに祝杯をあげようと、ワインを持って東屋へ向かったが、テーブルの上が変だ。工事用のビニールシートがかぶせてある。よくみると、それは、バックパッカーがテーブルをベッドにして寝ているのだ。ほかのテントも、みな静かで眠っているようだ。前日のプナルウでは、夜遅くまで騒がしかったのに。ここはまじめなキャンプ場なのだ。あまり大きな声で話していると、寝ている人達に怒られそうで、プナルウとは違った理由で、ビクビクしていた。

 仕方なく、メンバーの一人の5人用テントに有志7人が集まり、ワインで乾杯。静かに飲むつもりが、ドロドロの溶岩の興奮が冷めておらず、ワインも美味しくてついついみんな話し声が大きくなる。昼間買った赤・白・ロゼのハーフガロンのボトルがどんどん軽くなる。一番ふまじめなのは、我々のグループということかな。

心配された寒さは?

 やはり、やや肌寒い。寒さでよく眠れなかったメンバーもいた。プナルウは少し暑く寝苦しかった私には、このくらいのほうが寝袋の中で気持ちよく眠れる。朝、焚き火。心地よい。まきはここでは買えないので、ボルケーノビレッジで買っておいた。ヒロのホームセンターで買ったおがくずに油を染み込ませて固めたものが、安くて着火が簡単で,しかも火持ちがよくてお勧めだ。

日本人だってキャンプするゾ!

 朝食の準備をしていたら、見知らぬ日本人女性に、「日本の方でキャンプをしている人は珍しいですね。」と言われた。彼女は、ホームステイ先の家族ときているという。昨夜の悪行が少し恥ずかしい。確かに日本ではハワイというとリゾートというイメージだが、キャンプも素晴らしいのだ!ハワイでのキャンプのよさを体験することをお勧めする。