フィールドガイド     

アリゾナ

Sunset Crater (volcanic)
 サンセットクレーターは,ストロンボリ式噴火でつくられたスコリア丘である.その噴火は1064年の冬から始まったことが年輪年代学によって明らかにされている.サンフランシスコ火山地域でもっとも新しい火山である.

 サンセットクレーターへのアプローチ道路の脇の溶岩流の表面は,薄い板のかけらで覆われている.これは典型的なスラブパホイホイ溶岩である.(Flagstaffの北東20km)


Meteor Crater (impact)
 メテオール・クレーターは,直径1200m,深さ170mの窪地である.1960年,高圧型シリカ(SiO2)であるcoasiteとstishoviteが,Eugene Shoemakerによってここで初めて発見され,この窪地が隕石の衝突によってつくられたクレーターであることが証明された.衝突はおよそ5万年前に起こったらしい.

 私有地であるが,よく整備された博物館がある.かつての所有者の名前をとって,Barringer Craterともよばれる.(Flagstaffの東50km)


Petrified Forest
 ペトリファイド・フォレストは,陸上に堆積した三畳紀の砂礫層からなる.ほとんど固結していないため,風雨によって無惨に浸食されて典型的なバッドランドとなっている.多数の大木の化石が砂層の中に含まれている.(Flagstaffの東170km)




Grand Canyon
 グランドキャニオンの最上部は二畳紀末のKaibab石灰岩でつくられている.三畳紀以降の地層もこの地域にいったんは堆積したのだが,その後ほとんど浸食されてしまった.公園の東端のCedar Mountainにかろうじて三畳紀の地層が残っている.
 斜交層理が顕著なCoconino砂岩は,二畳紀中頃に大陸の上に広がった砂漠の堆積物である.キャニオンの中段にある赤色の一枚岩は,石炭紀のRedwall石灰岩がつくる垂直な崖である.

 ほぼ水平に重なった地層の最下部は,カンブリア紀のTapeats砂岩でつくられている.その下には,傾斜した地層や著しく褶曲した地層が不整合に重なる.もっとも古い地層は20億年前のVishnu片麻岩である.
 グランドキャニオンが高さ1500mもの深い峡谷なすのは,中新世に始まったコロラド高原の隆起に抗して,先行谷であるコロラド川が鋸の歯のように切り込んだからである.(Flagstaffの北100km)
 →グランドキャニオン国立公園のホームページへ


Balanced Rock
 マーブルキャニオンにあるバランス岩は,背後の崖から落下した岩石をのせる柔らかい地層が,その真下部分を残してすっかり浸食されて,一見不安定な印象を与える岩である.岩石を支える土柱の長さが1mを超えることは,この落石がかなり古い時代に起こったことを教えている.(グランドキャニオンの北100km)

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