貝塩鳥居峠(650.0ka)

 長野県と群馬県の境にある鳥居峠に露出する厚さ60cmの鳥居峠火山砂は,斜長石・石英・黒雲母からなるが,カンラン石・輝石・角閃石のどれもほとんど含まないというきわだった特徴をもつ(小森・矢口,1992).同じ特徴をもつ火山灰は上総層群笠森層中にもみられ,Ks22とよばれている(Suzuki, 1996).

 鳥居峠火山砂の給源は,上宝火砕流を噴出した岐阜県上宝村の貝塩火道(原山,1990)であろう(斉藤,1992).上宝火砕流堆積物が正帯磁していること(丹治ほか,1977)と,貝塩鳥居峠火山砂が群馬県高山村見沢で小林サクラ火山灰の下480cmにあることから,その噴火年代を650.0kaとする.

 放射年代は,上宝火砕流堆積物が650±250kaKA,920±110kaFT(原山,1990),笠森Ks22火山灰が490±70kaFT(徳橋ほか,1983)と測られている.Ks22の上のKs18は620±140kaFT(徳橋ほか,1983),Ks17は620±110kaFT(鈴木・杉原,1983)と測られている.

 町田・新井(2003)は、600-620kaだと考えた。

引用文献


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