姶良丹沢(28.00ka)

 町田・新井(1976)は,姶良カルデラから噴出して日本列島を広くおおった火山灰を初めて認め,それを姶良Tn火山灰(AT)とよんだ.Tnは丹沢の略号だから,ここではそれを姶良丹沢火山灰とよぶ.

 姶良丹沢火山灰の放射性炭素年代は,(学習院大学の)気体計数法によると,21〜22kaに集中する(町田,1991).一方,松本ほか(1987)はベンゼン-液体シンチレーション法によって24.72±.29kaを報告した.続いて村山ほか(1993)は,加速器法によって,24.33±.22kaを報告した.姶良丹沢火山灰の上54cmにある浅間離山雲場熱雲堆積物の放射性炭素年代は,加速器法によって次の5つが報告されている:19.5,19.6,19.6,19.6,19.8ka(中村ほか,1992).また,姶良丹沢火山灰の下16cmにある十和田大不動火砕流堆積物の放射性炭素年代は,気体計数法によって次の7つが報告されている:19.45,23.14,25.56,25.7,28.3,30.13,>33ka(Hayakawa, 1985,による整理).どうやら,姶良丹沢火山灰の放射性炭素年代は24.5kaふきんにあるようだ.

 U-Th年代と地球磁場強度(Bard et al., 1990; Mazaud et al., 1991; Laj et al.,1996; Taylor et al., 1996)を考慮すると,そのころの放射性炭素年代は約3500年若くでるようだから,姶良丹沢火山灰の噴火年代を28.00kaと考えよう.

早川(1995火山特別号)は,26.00kaとした.

引用文献


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