猪牟田アズキ(870.0ka)

 大阪層群の中でもっとも顕著な火山灰であるアズキは,上総層群の国本層下部に挟まれるKu6C火山灰と同一物である(町田ほか,1980).鎌田ほか(1994ab)は,アズキ火山灰の給源が中九州の猪牟田カルデラであり,今市火砕流堆積物も同じ噴火でつくられたと主張した.アズキ火山灰はB/M境界のすぐ下にあり,間氷期を示す高水温相の海成層(大阪層群のMa3と国本層下部)の下部にある(町田・新井,1992).その放射年代は,660±170kaFT,1400±30kaFT,1850±390kaFT(横山,1989),870±20kaFT(西村・笹嶋,1970),1300±200kaFT(水野ほか,1989)と測られている.また,今市火砕流堆積物の黒色ガラスレンズは,850±30kaKA (NEDO, 1989)と測られている.ここでは,猪牟田アズキ火山灰の噴火年代を870.0kaとしよう.

引用文献


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