阿蘇山

            定期火山情報
             第7号
                      平成11年7月12日10時
                           阿蘇山測候所発表
  火山名   阿蘇山
1.概  況
  6月の阿蘇中岳第一火口の火山活動は比較的穏やかでした。
 火口底は依然として全面湯だまりが続き、湯量はやや増加しました。噴湯現
象は月を通して観測されました。  火山性地震回数は前月より増加し、14日
には震度1の有感地震を観測しました。
  孤立型微動(振幅0.5μm以上)回数は前月と変わりませんでした。
  火山性連続微動の日平均振幅は0.2〜0.4μmで経過しました。
  7月に入っても火口底は全面湯だまりが続き、噴湯現象も観測されていま
す。
  火山性連続微動の日平均振幅は0.1〜0.4μm、孤立型微動の日回数は
10〜40回で経過しています。
2.震動観測
  火山性地震は79回(前月36回)観測され、14日20時08分に中岳第
一火口の北西約10q付近を震源とする震度1の有感地震がありました。
最大振幅は11.9μm(14日)で、11μm台が1回、8μm台が1回、
3μm台が2回、2μm台が4回、1μm台が6回、その他は1μm未満でし
た。
  火山性連続微動の月平均振幅は0.3μm(前月0.3μm)で日平均振幅
の最大は0.4μm(6日、11日、14日、22日、24日)、月最大振幅
は0.6μm(25日)でした。
  孤立型微動回数は1760回(前月1662回)でした。
3.現地観測
  火口底は全面湯だまりが続き、23日から30日までの大雨(601.5
o)で湯量は増加しました。湯だまりの表面は青緑色(南側の一部は黄色に変
色)で黄色の浮遊物が観測されました。
  噴湯現象は月を通して南側火口壁下で観測されました。
 噴煙は月を通して白色で高さ200m以下でした。
  噴気音はやや強い日(10日、11日)があり、南側火口壁の一部には硫黄
の付着や青白色ガスも観測されました。
  湯だまりの最高温度は51℃(8日、9日、11日)、南側火口壁の最高温
度は145℃(1日)でした。
(温度測定は、赤外線放射温度計による)
震動観測表                                             6月分
                  上   旬  中   旬  下   旬        計
火山性地震回数        12     55     12      79
前月との差                            +43
連続微動平均振幅(μm)   0.3   0.3   0.3    0.3
前月との差                       +0.0
連続微動最大振幅(μm)   0.5   0.5   0.6  0.6
孤立型微動回数※           598   672   490 1760
前月との差                                             +98
※ 振幅0.5μm以上
※ μm:マイクロメ―トル

              定期火山情報                第6号                       平成11年6月10日10時                       阿蘇山測候所発表 火山名 阿蘇山 1.概 況 5月の阿蘇中岳第一火口の火山活動は比較的穏やかでした。  火口底は依然として全面湯だまりが続きましたが湯量はやや減少しました。 また、噴湯現象は月を通して観測されました。 火山性地震回数及び孤立型微動(振幅0.5μm以上)回数は前月よりやや 減少しました。 火山性連続微動の日平均振幅は0.1〜0.6μmで経過しました。 6月に入っても火口底は全面湯だまりが続き、噴湯現象も観測されていま す。 火山性連続微動の日平均振幅は0.2〜0.4μm、孤立型微動の日回数は 40〜90回で経過しています。 2.震動観測 火山性地震は36回(前月41回)観測され、最大振幅は8.1μm(12 日)で、8μm台が1回、3μm台が1回、2μm台が1回、1μm台が1 回、その他は1μm未満でした。 火山性連続微動の月平均振幅は0.3μm(前月0.3μm)で日平均振幅 の最大は0.6μm(2日)、月最大振幅は0.6μm(17日)でした。 孤立型微動回数は1662回(前月1874回)でした。 3.現地観測 火口底は全面湯だまりが続きましたが、湯量はやや減少ました。湯だまりの 表面は青緑色(南側の一部は黄色に変色)で黄色の浮遊物が観測されました。 噴湯現象は月を通して南側火口壁下で観測されました。  噴煙は月を通して白色で高さ300m以下でした。 噴気音はやや強い日(25日)があり、南側火口壁の一部には硫黄の付着や 青白色ガスも観測されました。 湯だまりの最高温度は50℃(13日、14日)、南側火口壁の最高温度 は159℃(13日)でした。 (温度測定は、赤外線放射温度計による) 震動観測表5月分 上 旬 中 旬 下 旬 計 火山性地震回数       9 13 14 36 前月との差                        −5 連続微動平均振幅(μ m) 0.3 0.3 0.3 0.3 前月との差                      +0.0 連続微動最大振幅(μ m) 0.5 0.6 0.5  0.6 孤立型微動回数※      656 510 496 1662 前月との差 −212 ※ 振幅0.5μm以上 ※ μm:マイクロメ―トル
           定期火山情報               第5号                       平成11年5月10日10時                            阿蘇山測候所発表          火山名 阿蘇山 1.概 況 4月の阿蘇中岳第一火口の火山活動は比較的穏やかでした。 火口底は依然として全面湯だまりが続きましたが湯量はやや減少しました。 また、噴湯現象は月を通して観測されました。 火山性地震回数は前月より減少しましたが、孤立型微動(振幅0.5μm 以上)回数は前月よりやや増加しました。 火山性連続微動の日平均振幅は0.2〜0.5μmで経過しました。 5月に入っても火口底は全面湯だまりが続き、噴湯現象も観測されていま す。  火山性連続微動の日平均振幅は0.2〜0.6μm、孤立型微動の日回数 は50〜90回で経過しています。 2.震動観測 火山性地震は41回(前月211回)観測され、最大振幅は3.3μm(6 日)で、3μm台が1回、2μm台が2回、1μm台が1回、その他は1μ m未満でした。 火山性連続微動の月平均振幅は0.3μm(前月0.2μm)で日平均振 幅の最大は0.5μm(30日)、月最大振幅は0.6μm(14日)でし た。 孤立型微動回数は1874回(前月1211回)でした。 3.現地観測 火口底は全面湯だまりが続きましたが、湯量はやや減少ました。湯だまり の表面は青緑色(南側の一部は黄色に変色)で黄色の浮遊物が観測されまし た。 噴湯現象は月を通して南側火口壁下で観測されました。 噴煙は月を通して白色で高さ200m以下でした。 南側火口壁の一部には硫黄の付着があり、青白色ガスも観測されました。 湯だまりの最高温度は49℃(21日、26日、30日)、南側火口壁の 最高温度は162℃(15日)でした。 (温度測定は、赤外線放射温度計による) 震動観測表 4月分           上 旬 中 旬 下 旬  計 火山性地震回数  17   11 13   41  前月との差                  −170 連続微動平均振幅(μ m) 0.2 0.3 0.3 0.3 前月との差 +0.1 連続微動最大振幅(μ m) 0.5 0.6 0.5 0.6 孤立型微動回数※ 451 670 753 1874 前月との差 +663 ※ 振幅0.5μm以上 ※ μm:マイクロメ―トル
定 期 火 山 情 報 第4号  平成11年4月12日10時                            阿蘇山測候所発表           火山名 阿蘇山 1.概 況 3月の阿蘇中岳第一火口の表面活動は比較的穏やかでしたが、地下活動は  やや不安定な状態でした。   火口底は依然として全面湯だまりが続いており、噴湯現象は月を通して観 測されました。 火山性地震回数は前月より増加し、9日には震度3と震度1、22日には  震度1の有感地震を観測しました。 孤立型微動(振幅0.5μm以上)回数は前月と変わりませんでした。 火山性連続微動の日平均振幅は0.1〜0.4μmで経過しました。 4月に入っても火口底は全面湯だまりが続き、噴湯現象も観測されていま す。 火山性連続微動の日平均振幅は0.3μm以下、孤立型微動の日回数は2 0〜70回で経過しています。 2.震動観測 火山性地震は211回(前月37回)観測され、9日以降中岳第一火口の  北西約10q付近を震源とする地震が多く発生し、9日12時53分に震度 3、13時50分に震度1、22日22時22分に震度1の有感地震があり ました。最大振幅は28μm以上(9日)で、28μm以上が2回、14μ m台が1回、5μm台が1回、4μm台が1回、3μm台が1回、2μm台 が8回、1μm台が8回、その他は1μm未満でした。 火山性連続微動の月平均振幅は0.2μm(前月0.3μm)で日平均振 幅の最大は0.4μm(4日)、月最大振幅は0.5μm(13日、23日)  でした。 孤立型微動回数は1211回(前月1319回)でした。 3.現地観測 火口底は全面湯だまりが続き、湯だまりの表面は青緑色で黄色の浮遊物が 観測されました。 噴湯現象は月を通して南側火口壁下で観測されました。   噴煙は月を通して白色で高さ200m以下でした。 噴気音はやや強い日(3日、8日)があり、南側火口壁の一部には硫黄の 付着があり、青白色ガスも時々観測されました。 湯だまりの最高温度は46℃(31日)、南側火口壁の最高温度は113℃ (3日)でした。 (温度測定は、赤外線放射温度計による)               震動観測表 3月分          上 旬  中 旬  下 旬 計  火山性地震回数  107 75 29   211  前月との差(μ m)                +174 連続微動平均振幅 0.2 0.2 0.2 0.2 前月との差(μ m)               −0.1  連続微動最大振幅 0.4 0.5   0.5 0.5 孤立型微動回数※ 388 451 372 1211  前月との差                   −108                    ※ 振幅0.5μm以上                    ※ μm:マイクロメ―トル
定期火山情報 第3号 平成11年3月10日10時 阿蘇山測候所発表 火山名:阿蘇山 1.概況  2月の阿蘇中岳第一火口の火山活動は比較的穏やかに経過しました。  火口底は依然として全面湯だまりが続いており、噴湯現象は月を通して観測されま した。  火山性地震回数は前月よりやや増加し、15日、26日には震度2の有感地震を観測し ました。  孤立型微動(振幅0.5μm以上)回数は前月より増加しました。  火山性連続微動の日平均振幅は0.1〜0.5μmで経過しました。  3月に入っても火口底は全面湯だまりが続き、噴湯現象も観測されています。  火山性連続微動の日平均振幅は0.1〜0.4μm、孤立型微動の日回数は30〜60回で経 過しています。  なお、9日には阿蘇中岳第一火口から北西約10km付近を震源とする震度3と震度1 の有感地震をそれぞれ1回観測しました。 2.震動観測  火山性地震は37回(前月21回)観測され、15日20時52分には中岳第一火口から南西 約16km付近、また26日01時18分には火口付近を震源とする震度2の有感地震がありま した。最大振幅は18μm以上(15日、26日)で、18μm以上が2回、2μm台が1回、 1μm台が4回、その他は1μm未満でした。  火山性連続微動の月平均振幅は0.3μm(前月0.2μm)で日平均振幅の最大は0.5μm (26日)、月最大振幅は0.6μm(12日)でした。  孤立型微動回数は1319回(前月365回)でした。 3.現地観測  火口底は全面湯だまりが続き、湯だまりの表面は青緑色で黄色の浮遊物が観測され ました。  噴湯現象は月を通して南側火口壁下で観測されました。  噴煙は月を通して白色で高さ300m以下でした。  噴気音はやや強い日(25日、26日)があり、南側火口壁の一部には硫黄の付着が観 測されました。  湯だまりの最高温度は45℃(25日)、南側火口壁の最高温度は97℃(23日)でし た。 (温度測定は、赤外線放射温度計による)   震動観測表 2月分                上旬   中旬   下旬    計  火山性地震回数       11   17    9   37  前月との差                       +16  連続微動平均振幅(μm) 0.2  0.3  0.3  0.3  前月との差                      +0.1  連続微動最大振幅(μm) 0.4  0.6  0.5  0.6  孤立型微動回数※     455  568  296 1319  前月との差                      +954 ※ 振幅0.5μm以上
定期火山情報 第2号 平成11年2月10日10時 阿蘇山測候所発表 火山名:阿蘇山 1.概 況  1月の阿蘇中岳第一火口の火山活動は比較的穏やかに経過しました。  火口底は依然として全面湯だまりが続いており、噴湯現象は月を通して観測されま した。  火山性地震回数及び孤立型微動(振幅0.5μm以上)回数は前月と変わりません でした。  火山性連続微動の日平均振幅は0.1〜0.4μmで経過しました。  2月に入っても火口底は全面湯だまりが続き、噴湯現象も観測されています。  火山性連続微動の日平均振幅は0.3μm以下、孤立型微動の日回数は30〜60 回で経過しています。 2.震動観測  火山性地震は21回(前月16回)観測され、最大振幅は0.6μm(1日)でし た。  火山性連続微動の月平均振幅は0.2μm(前月0.2μm)で日平均振幅の最大 は0.4μm(31日)、月最大振幅は0.5μm(29日)でした。孤立型微動回 数は365回(前月409回)でした。 3.現地観測  火口底は全面湯だまりが続き、湯だまりの表面は青緑色で黄色の浮遊物が観測され ました。  噴湯現象は月を通して南側火口壁下で観測されました。  噴煙は月を通して白色で高さ300m以下でした。  噴気音はやや強い日(14日)があり、南側火口壁の一部には硫黄の付着が観測さ れました。  湯だまりの最高温度は45℃(22日)、南側火口壁の最高温度は54℃(27 日)でした。(温度測定は、赤外線放射温度計による)   震動観測表 1月分                上旬   中旬   下旬    計  火山性地震回数       10    4    7   21  前月との差                        + 5  連続微動平均振幅(μm) 0.2  0.2  0.2  0.2  前月との差                      ±0.0  連続微動最大振幅(μm) 0.4  0.4  0.5  0.5  孤立型微動回数※     114   91  160  365  前月との差                       −44 ※ 振幅0.5μm以上
定期火山情報 第1号 平成11年1月11日10時 阿蘇山測候所発表 火山名 阿蘇山 1.概 況  12月の阿蘇中岳第一火口の火山活動は比較的穏やかに経過しました。  火口底は依然として全面湯だまりが続いており、噴湯現象は月を通して観測されま した。  火山性地震回数は前月と変わりませんでしたが、孤立型微動(振幅0.5μm以上) 回数は前月より減少しました。  火山性連続微動の日平均振幅は0.3μm以下で経過しました。  1月に入っても火口底は全面湯だまりが続き、噴湯現象も観測されています。  火山性連続微動の日平均振幅は0.2μm以下、孤立型微動の日回数は30回以下で経 過しています。 2.震動観測  火山性地震は16回(前月16回)観測され、最大振幅は1.1μm(13日)で、1μm 台が2回、その他は1μm未満でした。  火山性連続微動の月平均振幅は0.2μm(前月0.2μm)で日平均振幅の最大は 0.3μm(9日、15日)、月最大振幅は0.5μm(5日)でした。  孤立型微動回数は409回(前月1621回)でした。 3.現地観測  火口底は全面湯だまりが続き、湯だまりの表面は青緑色で黄色の浮遊物が観測され ました。  噴湯現象は月を通して南側火口壁下で観測されました。  噴煙は月を通して白色で高さ300m以下でした。  噴気音はやや強い日があり、南側火口壁の一部には硫黄の付着が観測されました。  湯だまりの最高温度は49℃(21日)、南側火口壁の最高温度は48℃(17日)でし た。(温度測定は、赤外線放射温度計による)   震動観測表 12月分                上旬   中旬   下旬    計  火山性地震回数        6    2    8   16  前月との差                        ±0  連続微動平均振幅(μm) 0.2  0.2  0.2  0.2  前月との差                      ±0.0  連続微動最大振幅(μm) 0.5  0.4  0.4  0.5  孤立型微動回数※     259   82   68  409  前月との差                     −1212 ※ 振幅0.5μm以上


1998年火山情報