浅間牧場から見た浅間高原

浅間山の北麓には標高1000メートルの高原が広がっている。吾妻川に沿ってこの高原を西にさかのぼると、そのまま鳥居峠に至る。峠道にありがちなヘアピンカーブがここにはひとつもない。高原のまま峠に行き着いてしまう。嬬恋キャベツの生産地として有名なこの高原は、四阿山と烏帽子山塊に囲まれて成立した古い平坦面だ。25万年前から20万年前まで、ここには大きな湖があった。そのとき浅間山はまだ誕生していなかった。
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鬼押出しから見た四阿山と草津白根山

浅間山の北に広がる高原は、六里ヶ原と呼ばれている。浅間山頂と草津白根山頂の距離は25キロで、ほぼ六里(24キロ)に相当する。左の山が四阿山(あずまやさん)、右の山が草津白根山。どちらも30万年前頃に盛んに噴火してできた火山だ。不思議なことに、草津白根山だけが、2万年ほど前から再び噴火している。
 
浅間火山北麓の電子地質図 2007年7月20日
著者 早川由紀夫(群馬大学教育学部)
描画表現・製図 萩原佐知子(株式会社チューブグラフィックス
ウェブ製作 有限会社和田電氣堂
この地質図は、文部科学省の科研費(17011016)による研究成果である。
背景図には、国土地理院発行の2万5000分の1地形図(承認番号 平19総複、第309号)と、 北海道地図株式会社のGISMAP Terrain標高データを使用した。